写真に写ると、実物より目立って見えるのがしみやくすみです。市販の化粧品で長く対処している方も多いのですが、種類によっては医療で対応したほうが早い場合があります。
「しみ」と呼ばれるものは複数ある
見た目が似ていても、種類によって成り立ちが違います。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 日光によるしみ | 顔や手の甲など、日の当たる場所にできる。境界がはっきりしていることが多い |
| そばかす | 小さな斑点が散在する。若い頃から見られることが多い |
| 炎症後の色素沈着 | ニキビや傷のあとに残る茶色い跡 |
| 肝斑 | 左右対称に、頬などに広がる。刺激で悪化することがある |
| その他 | ほくろや、まれに注意が必要な病変のこともあります |
種類によって適した対処が変わり、なかには刺激を与えると悪化するものもあります。これが、自己判断が難しい理由です。
化粧品でできること・できないこと
化粧品でできるのは、主に予防と、ごく浅い色素への働きかけです。すでに定着したしみを消すことは、化粧品の役割ではありません。
「消える」とうたう商品を長く使い続けるより、一度診察を受けて種類を確認するほうが、結果的に時間も費用も節約できます。
同じ「しみ」に見えても、種類によって対応が異なります。強くこする、自己流で刺激を与えるといった対処は、かえって悪化させることがあります。治療の内容や結果には個人差があるため、判断は診察を受けたうえで行ってください。
自己判断が危ないケース
次のような変化がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。
- 短期間で大きくなった
- 形がいびつ、境界がぼやけている
- 色にむらがある
- 出血する、かさぶたを繰り返す
- 盛り上がってきた
多くは心配のないものですが、まれに注意が必要な病変のことがあります。「美容の悩み」として自己処理せず、まず診てもらってください。
いちばん確実なのは予防
できてしまったものへの対処より、これ以上増やさないことのほうが確実です。
- 日焼け対策。季節や天候にかかわらず、日常的に行う
- こすらない。洗顔もタオルも、摩擦を減らす
- 炎症を長引かせない。ニキビや傷は早めに対処する
特に日焼け対策は、しみだけでなく肌全体の状態に関わります。男性も例外ではありません。
種類によって、対処がまったく違う
ひとことで「しみ」といっても、いくつもの種類があります。種類の見立てを誤ると、対処が逆効果になることがあります。
| 種類 | 見え方の特徴 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 紫外線によるしみ | 境界のはっきりした茶色い斑。頬骨のあたりに多い | レーザーなどの治療が検討されます |
| そばかす | 小さな斑が、鼻の周りに散らばる。若いころから | 体質的な要素が強い。治療の対象になることも |
| 肝斑(かんぱん) | 頬骨に左右対称、もやっと広がる。境界が不明瞭 | 刺激で悪化します。内服や外用が中心 |
| 炎症のあとの色素沈着 | ニキビや傷のあった場所に一致 | 時間とともに薄くなることが多い |
| 盛り上がったもの | 触ると段差がある。加齢とともに増える | 種類の確認が必要です |
| 皮膚の深い層のもの | 青みがかって見えることがある | 治療方針が他と異なります |
とくに注意が必要なのが、肝斑です。他のしみに使われる強い刺激を与えると、かえって濃くなることがあります。見た目が似ていても、対処が正反対になる——これが、自己判断を勧めない理由です。
日焼け止めの、正しい使い方
予防がいちばん確実、とお伝えしましたが、使い方を間違えている方が非常に多いのです。
1. 量が足りていない。顔全体に必要な量は、クリームならパール粒2個分、液状なら500円玉大が目安とされています。多くの方は、この半分以下しか使っていません。量が半分なら、効果も大きく下がります。
2. 塗り直していない。汗や皮脂で落ちるため、2〜3時間おきの塗り直しが理想です。外出時は、携帯できるタイプを持っておくと現実的です。
3. 曇りの日に塗らない。紫外線は雲を通過します。曇りでも、晴天のかなりの割合が届いています。
4. 室内で塗らない。窓ガラスを通過する波長があります。窓際で長時間過ごす場合は、室内でも必要です。
5. 塗り忘れる場所がある。耳、首、鼻の下、生え際、手の甲。顔だけ塗って、首との色の差が出るのはよくあることです。
SPFとPAの選び方。日常であればSPF30前後、屋外で長時間過ごす日は高い数値のものを。数値の高さより、量と塗り直しのほうが重要です。
化粧品でできることの、範囲
市販の化粧品に、まったく意味がないわけではありません。ただ、できることには範囲があります。
期待できること
- これから濃くなるのを抑える
- 肌の乾燥やくすみを改善し、全体の明るさを整える
- 炎症のあとの色素沈着を、薄くする助けになる
期待しにくいこと
- すでに定着したしみを、消すこと
- 短期間で結果を出すこと。肌の入れ替わりには時間がかかります
- 盛り上がったものを、平らにすること
使うなら、3か月は続けてください。1〜2週間で判断するには短すぎます。そして、3か月使って変化がなければ、その方法では変わらない可能性が高いと考えて、次の手を検討してください。
「くすみを取ろう」として、洗顔やクレンジングで強くこする方がいます。摩擦は、色素沈着を悪化させる要因です。洗うときは泡でやさしく、拭くときは押さえるように。これだけで、数か月後の状態が変わります。
受診をおすすめする場合
次のいずれかに当てはまる場合は、自己判断ではなく、一度診てもらってください。
- 形がいびつ、境界がぼやけている
- 短期間で大きくなった、色が濃くなった
- 色にむらがある。黒、茶、赤が混ざっている
- 出血した、じくじくしている、かさぶたを繰り返す
- 盛り上がってきた、硬くなってきた
- 左右対称にもやっと広がっている(肝斑の可能性があり、対処が異なります)
しみに見えるものの中に、別の状態が含まれていることがあります。皮膚の病変には、見た目が似ていても性質の異なるものがあり、中には早く対処すべきものも含まれます。
「気にしすぎかもしれない」と思っても、確認する価値があります。診察は数分で終わり、何もなければそれで安心できます。
また、治療の要否だけでなく、費用と期間の見通しも聞いておいてください。種類によっては保険が適用される場合と、自費になる場合があります。
写真と、会う日の対処
治療には時間がかかります。そのあいだにできることを、押さえておいてください。
写真
- やわらかい光で撮る。薄曇りの屋外か、窓際。強い直射光は、色の差を強調します
- 正面から光を当てる。横からの光は、影と色むらを目立たせます
- 加工は控えめに。肌の質感まで消すと、会った日に落差が出ます(加工はどこまで)
会う日
- コンシーラーは、点で置いて、境界をぼかす。広く厚く塗ると、かえって目立ちます
- 前日に、新しい化粧品を試さない。荒れる可能性のほうが高い
- 店を選ぶとき、極端に明るい照明の場所を避ける
そして、気にしすぎないでください。相手は、あなたが思うほど細かく見ていません。しみを気にして下を向いたり、明るい場所を避けたりするほうが、印象に影響します。
治療は進めながら、会うことは止めないでください。この2つは両立します。メイクでの対処は婚活のメイクにもまとめています。
季節ごとの、対策の重点
紫外線対策は通年で必要ですが、季節によって注意する点が変わります。
春(3〜5月)
- 紫外線が急に強くなる時期です。気温はまだ低いので、油断しやすい
- 花粉で肌が荒れやすい。こすらないこと。荒れた肌は、色素沈着を起こしやすくなります
- この時期から、日焼け止めを毎日使う習慣に
夏(6〜8月)
- 汗で日焼け止めが落ちます。2〜3時間おきの塗り直しを
- 帽子や日傘を併用する
- 汗をこまめに拭く。ただし、こすらず押さえるように
秋(9〜11月)
- 夏の日焼けが、色として出てくる時期です。ここで対処を始めると、翌春までに落ち着くことがあります
- 乾燥が始まります。保湿を強化してください
冬(12〜2月)
- 紫外線量は減りますが、ゼロではありません。日焼け止めは続けてください
- 乾燥で、肌のバリアが弱くなります。刺激に敏感になり、色素沈着を起こしやすい状態です
- 暖房による乾燥にも注意
治療を始めるなら、秋から冬が向いているとされることがあります。紫外線が弱く、施術後の管理がしやすいためです。ただし、種類によって異なるので、医師に相談してください。
化粧品を選ぶときの、見方
市販の化粧品は種類が多く、選ぶのが難しい分野です。見るべき点を絞っておきます。
1. 何を目的にした製品かを確認する。「これから濃くなるのを防ぐ」ものと、「いまある色を薄くする」ものでは、目的が違います。パッケージの表示を確認してください。
2. 医薬部外品かどうか。有効成分の効果について、一定の確認がされている区分です。ただし、医療機関で処方されるものとは異なります。
3. 続けられる価格か。3か月は続ける必要があります。高価なものを1か月使うより、続けられるものを3か月使うほうが意味があります。
4. 刺激が強すぎないか。赤み、ひりつき、かゆみが出たら、すぐに使用を中止してください。「効いている証拠」ではありません。
5. 日焼け止めが、いちばん優先。どんな美容液より、日焼け止めを正しい量で毎日使うほうが効果があります。
「シミが消える」「1週間で真っ白に」といった表現には、根拠が示されていないことがあります。個人の体験談だけを根拠にした広告にも注意してください。効果に疑問を感じる高額な商品を勧められた場合は、いったん持ち帰って、必要なら消費者ホットライン「188」に相談できます。
3か月使って変化がなければ、その方法では変わらない可能性が高いといえます。その場合は、種類の見立てから相談してみてください。
日焼け止めを、続けるための工夫
いちばん効果があるのに、いちばん続かないのが日焼け止めです。習慣にする工夫があります。
1. 置き場所を決める。洗面所の、化粧水の隣。朝の動線の中に置くと、忘れません。
2. 化粧下地と兼ねられるものを選ぶ。工程が増えないので、続きます。
3. 塗り直し用を、鞄に入れておく。スティックタイプやパウダータイプなら、メイクの上からでも使えます。
4. 「毎日」と決めてしまう。晴れの日だけ、外出する日だけ——と条件をつけると、判断が要るぶん続きません。洗顔のあと、必ず塗る。これで習慣になります。
5. 量を守る。顔全体で、クリームならパール粒2個分。多くの方は、この半分以下しか使っていません。量が半分なら、効果も大きく下がります。
6. 塗り忘れる場所を、決めておく。耳、首、鼻の下、生え際、手の甲。「顔を塗ったら、首と手」と順番を決めてください。
この習慣が、いちばん確実な予防です。どんな美容液より、効果が期待できます。そして、いま治療を受けている方にとっても、再発を防ぐために必要です。
よくある質問
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