アプリで出会って結婚した人たちは、何を決め手にしたのか。条件面ではなく、日々の関係の中で「この人と」と思った瞬間について整理しました。
条件は「決め手」になりにくい
年収、身長、学歴。こうした条件は、相手を絞り込む段階では機能しますが、最終的に「この人と結婚しよう」と決めるときの理由にはなりにくいものです。
理由は単純で、条件は比較できてしまうからです。比較できるものは、いつまでも「もっと良い人がいるのでは」という迷いを生みます。
決め手になるのは、比較できないもの——その人と一緒にいるときの自分の状態です。
よく挙がる5つの決め手
- 一緒にいて疲れない。気を遣いすぎず、沈黙が苦にならない
- 意見が違ったときに、話し合えた。感情的にならず、すり合わせができた
- 弱っているときの対応。体調を崩したとき、仕事で落ち込んだときの反応
- 家族や友人との接し方。他人にどう接する人かが見える場面
- 生活のリズムや金銭感覚が近い。暮らしを共にする想像ができるか
共通しているのは、いずれもプロフィールには書かれていないことです。会って、時間を重ねないと分かりません。
見極めるための機会
意識して作ると分かりやすい場面があります。
| 場面 | 分かること |
|---|---|
| 予定が崩れたとき | 柔軟さ、機嫌の変わり方 |
| 店員への態度 | 立場の弱い相手への接し方 |
| 意見が食い違ったとき | 話し合えるか、押し通すか |
| お金の話をしたとき | 金銭感覚、将来の考え方 |
| 疲れているとき | 素の状態。取り繕えない場面 |
デートの回数を重ねるより、こうした場面をいくつか経験するほうが、判断材料になります。
迷いが消えないとき
「決め手がない」と感じるとき、次の2つの可能性があります。
- まだ相手を知る時間が足りない。この場合は、時間を重ねれば見えてきます
- 条件で判断しようとしている。この場合は、いつまでも決まりません
後者であれば、視点を変えてみてください。「この人と一緒にいる自分は、好きな自分か」という問いのほうが、答えが出やすいことがあります。
決め手は、うまくいっている時ではなく「崩れた時」に見える
楽しい時間を一緒に過ごすことは、たいていの相手とできます。差が出るのは、予定どおりにいかなかった場面です。
実際に「この人だ」と思った瞬間として、よく挙げられるのは次のような場面です。
- 自分が体調を崩したとき。心配のしかた、距離の取り方、無理をさせない気遣い
- デートの予定が急に流れたとき。不機嫌になるか、こちらを気遣うか
- 電車が止まった、店が閉まっていた、道に迷った。想定外への反応に、その人の余裕が出ます
- 意見が食い違ったとき。押し通すか、話し合えるか、黙り込むか
- 疲れているとき。言葉が雑にならないか
- こちらが弱音を吐いたとき。否定せずに聞けるかどうか
これらは、意図的に作れる場面ではありません。だからこそ、一定の期間と、ある程度の回数が必要になります。3か月で数回しか会っていない状態では、この情報が集まりません。
一緒に暮らす前提で、確かめておくこと
気持ちとは別に、生活が噛み合うかどうかという問題があります。ここを確かめずに進むと、結婚後につまずきます。
| 項目 | 確かめておきたいこと |
|---|---|
| 生活時間 | 起きる時間、寝る時間、休日の使い方。ここが大きくずれると、日常が噛み合いません |
| お金 | 貯蓄の考え方、何にお金を使うか、借入の有無。結婚前に必ず共有すべき項目です |
| 家事の分担 | 「手伝う」なのか「分担する」なのか。言葉の使い方に考え方が出ます |
| 働き方 | 結婚後も続けるか、転勤の可能性はあるか |
| 子ども | 希望の有無、時期の考え方。ここは早めに一致を確認してください |
| 親との距離 | 同居の可能性、介護、帰省の頻度 |
| 住む場所 | お互いの職場、実家との距離 |
すべてを一度に話す必要はありません。交際が半年ほど続いたら、少しずつ確認していくくらいの進め方で十分です。
子どもを希望する場合は、年齢と妊娠の関係についても知っておく必要があります。年齢と妊娠とブライダルチェックをご覧ください。
確かめる機会は、意図して作れる
「崩れた場面」を待つだけでは、時間がかかります。ある程度は、こちらから機会を作れます。
1. 長い時間を一緒に過ごす。半日、あるいは一日。疲れてからの態度に、その人が出ます。3時間のデートを5回重ねるより、1日を2回のほうが多くのことが分かります。
2. 一泊の旅行に行く。荷造り、計画の立て方、予定が崩れたときの対応、朝の様子。短期間で、生活の相性が一気に見えます。
3. お互いの日常に入る。相手の住む街を歩く、行きつけの店に行く、部屋を見る。整理整頓、金銭感覚、生活のリズムが、そのまま現れます。
4. 意見の違う話題を、一度は出す。避けてばかりでは分かりません。「そこは考えが違いますね」となったときに、どう扱うか。違いがあること自体は問題ではなく、扱い方が問題です。
5. 友人に会わせる。他人との接し方、こちらの友人への態度。自分では気づかない点を、友人が指摘してくれることもあります。
迷いを、分解してみる
「悪くないけれど、決めきれない」。この状態が続くとき、迷いの中身を分けて考えると、動けるようになります。
1. 相手に対する不安か、結婚そのものへの不安か。これは別のものです。誰と結婚しても不安なのであれば、相手を変えても解決しません。
2. 具体的に言える不満があるか。言葉にできる不満(お金の使い方、連絡の頻度)は、話し合いで変わる可能性があります。言葉にできないものは、時間が経っても変わらないことが多い。
3. 「もっといい人がいるかも」という迷いか。この迷いには終わりがありません。条件は必ず上がいます。比べる相手は、実在する候補だけにしてください。想像上の誰かと比べているなら、それは考えても答えの出ない問いです。
4. 期限を切ってみる。「3か月後に決める」と決めると、見るべきものが絞られます。だらだら続けるほど、判断は鈍ります。
多くの方が最後に挙げるのが、この一点です。気を張らなくていい、無理に話を作らなくていい、黙っていても平気。条件のうえで優れた相手より、この感覚がある相手を選んだ、という話は非常によく聞きます。判断に迷ったら、ここに立ち戻ってみてください。
決め手がなくても、決められる
最後に、正直なことを書いておきます。「これだ」という決定的な瞬間がないまま結婚した人も、たくさんいます。
「稲妻に打たれるような感覚」を待っていると、いつまでも決まりません。実際に多いのは、気づいたら一緒にいるのが当たり前になっていたという形です。決め手は、あとから振り返って言葉になることのほうが多いのです。
それでも、決断の前に確認しておきたいことが3つあります。
- この人と、10年後に同じ食卓についている姿が想像できるか
- 自分が困ったとき、いちばん先に連絡したい相手か
- 相手の欠点を、変えようとせずに受け入れられるか。結婚しても、人は基本的に変わりません
3つとも「はい」なら、決め手がなくても十分です。逆に、条件がすべて揃っていても、この3つに詰まるなら、時期尚早です。
結婚までの具体的な段取りは結婚までの流れに、ご家族への紹介は親への紹介にまとめています。
迷いが、後から戻ってきたとき
いったん決めたあとに、また迷いが出ることがあります。これは珍しいことではありません。
まず、迷いの種類を分けてください。
| 迷いの種類 | 見分け方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 結婚そのものへの不安 | 相手が誰でも、同じ不安が出る | 相手を変えても解決しません |
| 準備の疲れ | 式や引っ越しの話でぶつかっている | 休めば戻ります。準備の話をしない日を作る |
| 具体的な不満 | 言葉にできる。金銭感覚、家族のこと | 話し合う余地があります |
| 言葉にできない違和感 | 説明できないが、引っかかる | 時間が経っても変わらないことが多い。立ち止まる価値があります |
| 他の可能性への未練 | 「もっといい人が」という形 | この迷いに終わりはありません |
いちばん注意すべきは、4番目です。言葉にできる不満は、話し合いで変わる可能性があります。けれど、言葉にできない違和感は、時間が経っても残ることが多いのです。
この場合、進める前に立ち止まってください。日程を延ばすことは、取り返しのつかないことではありません。結婚してから気づくより、はるかに損失が小さくて済みます。
そして、迷いを相手に隠さないでください。「少し考えたいことがある」と伝えられる関係かどうかも、大切な判断材料です。
決めたあとに、起きること
決断したあとの流れも、知っておくと安心です。多くの人が、同じところで戸惑います。
1. 現実的な話が、一気に増える。お金、住まい、両家、式。恋愛の時期とは、話す内容がまったく変わります。ここで「こんなはずでは」と感じる方がいますが、通常の過程です。
2. 相手の家族が、関わってくる。二人だけの関係ではなくなります。自分の親とは自分が話す——この役割分担を守ると、こじれにくくなります(親への紹介)。
3. 意見の違いが、はっきり出る。これまで避けていた話題に、正面から向き合うことになります。違いが出ること自体は、悪いことではありません。扱い方が問題です。
4. 疲れて、喧嘩が増える時期がある。準備が本格化すると、余裕がなくなります。準備の話をしない日を、週に1日作ってください。
5. 周囲の反応に、揺さぶられる。友人や家族の言葉が気になる時期があります。参考にはしても、決めるのは自分です。
6. 「これでよかったのか」と考える瞬間が来る。ほとんどの人が経験します。それ自体は、間違いの証拠ではありません。
この6つを知っておくと、起きたときに「想定内だ」と受け止められます。準備の全体像は結婚までの流れにまとめました。
決める前に、確かめる10項目
最後に、結婚を決める前のチェックリストを置いておきます。すべてが「はい」である必要はありません。
- 1. 四季を一巡している。繁忙期、体調を崩す季節、行事の過ごし方を見た
- 2. 相手が疲れているときの態度を、知っている
- 3. 意見が違ったときに、話し合えた経験がある
- 4. お金の使い方と、借入の有無を共有している
- 5. 子どもについての考えが、一致している
- 6. 住む場所と、働き方について話している
- 7. 親との距離について、お互いの考えを聞いた
- 8. 相手の欠点を、変えようとせずに受け入れられる
- 9. 困ったとき、いちばん先に連絡したい相手である
- 10. 一緒にいて、気を張らずにいられる
4番目、5番目、6番目が「いいえ」なら、決める前に話し合ってください。結婚後に食い違うと、修正が難しい項目です。
8番目から10番目は、感覚の問題です。ここが揃っていれば、条件面での不足は、たいてい乗り越えられます。
逆に、条件がすべて揃っていても、下の3つに詰まるなら、時期尚早かもしれません。
よくある質問
「ビビッとくる」感覚は必要ですか?
交際期間はどれくらいが目安ですか?
親や友人の意見は聞くべきですか?
交際期間は、どれくらいが目安ですか?
周囲の意見は、どこまで聞くべきですか?
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