婚活を続けていると、疲れを感じる時期があります。多くは休めば回復しますが、なかには受診したほうがよい状態もあります。その境目がどこにあるのかを、具体的なサインで整理しました。
なぜ婚活は消耗するのか
婚活には、他の活動にはない負荷があります。
- 断られることが構造的に組み込まれている。「いいね」が返らない、返信が来ない、会った後に連絡が途絶える。日常生活では滅多にない頻度で「選ばれない」経験をします
- 評価されるのが「自分自身」である。仕事なら成果物が評価されますが、婚活では容姿や人柄そのものが対象になります
- 終わりが見えない。いつ結果が出るか分からないまま続きます
- 相談しにくい。友人にも話しづらく、一人で抱えがちです
これだけの負荷がかかれば、疲れるのは自然なことです。疲れること自体は、弱さの証拠ではありません。
休めば戻る疲れと、そうでない状態
| 休めば戻る疲れ | 注意したほうがよい状態 | |
|---|---|---|
| 気分 | アプリを開くのが億劫。休むと気が向いてくる | 婚活以外のことにも興味が持てない |
| 睡眠 | 寝つきが悪い日がある | 眠れない日が2週間以上続く。早朝に目が覚める |
| 食欲 | 一時的に落ちる | 食べられない、または過食が続く。体重が大きく変動した |
| 体の症状 | 特にない | 頭痛、動悸、めまい、胃の不調が続く |
| 回復 | 数日〜1週間休むと戻る | 休んでも戻らない |
受診を考えたほうがよいサイン
- 眠れない、または朝早く目が覚めてしまう
- これまで楽しめたことが、楽しめない
- 食欲が落ちた、または過食が止まらない
- 気分の落ち込みが一日中続く
- 自分に価値がないと感じる
- 仕事や家事に集中できない
- 頭痛や動悸など、体の症状が続く
これらは「気の持ちよう」で解決するものではありません。早い段階で相談したほうが、回復も早くなります。症状の現れ方には個人差がありますので、当てはまるかどうか迷う場合も含めて相談して構いません。
とくに、「消えてしまいたい」という考えが浮かぶ場合は、迷わず受診してください。緊急時は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)などの窓口もあります。
受診する前にできること
状態が軽いうちであれば、次のことで回復する場合があります。
- 期間を決めて休む。「2週間は開かない」と決める。休会機能を使えば、プロフィールを残したまま止められます
- 通知を切る。反応を待つ状態が続くこと自体が負荷になります
- やりとりの相手を減らす。同時に複数と話すのをやめ、1〜2人に絞る
- 婚活以外の予定を入れる。生活の中心が婚活だけになると、結果に振り回されます
- 誰かに話す。友人でも、運営の相談窓口でも構いません
それでも戻らないときが、受診の目安です。
消耗の中身を、分解してみる
「疲れた」と感じるとき、何に疲れているのかを分けてみると、対処が見えてきます。
| 疲れの中身 | 具体的な場面 | 対処の方向 |
|---|---|---|
| 判断疲れ | 毎日たくさんの人を見て、選び続ける | 1日に見る人数の上限を決める |
| 断り疲れ | 毎回、文面を考えて断る | 断りの定型文を1つ作る |
| 期待と落胆の反復 | 返信を待ち、来ないことの繰り返し | 並行して複数とやりとりする |
| 比較による疲れ | 他人のプロフィールや、友人の結婚と比べる | SNSを見る時間を減らす |
| 時間の枯渇 | 仕事と婚活の両立 | 使う時間を決めて、それ以上は使わない |
| 自己否定 | 断られるたびに、自分を責める | これがいちばん危険な種類です |
上の5つは、運用の工夫で軽くなります。ところが、いちばん下の「自己否定」だけは、工夫では解決しません。ここが強くなっている場合は、休むこと、そして場合によっては相談することを考えてください。
運用を変えて、消耗を減らす
やり方を変えるだけで、負担がかなり軽くなります。
1. 開く時間を決める。通知を切って、決めた時間だけ開く。四六時中気にしている状態が、いちばん消耗します。
2. 1日に見る人数の上限を決める。10人まで、と決めてしまう。全員に目を通す必要はありません。
3. 同時にやりとりする人数を、3人までにする。それ以上は管理できず、対応も雑になります(同時進行の扱い方)。
4. 断りの文面を、1つ用意する。「ご縁がなかったように思います」。毎回考えるから疲れるのです。
5. 見切る基準を決める。返信がなければ3日、止まったら1週間。待ち続ける時間が、いちばん心を削ります。
6. 週に1日、開かない日を作る。それで不利になることはありません。
7. 数字を毎日見ない。「いいね」の数の増減に意味はありません。週に1回、決めた曜日に確認すれば十分です。
これらはいますぐ実行できることばかりです。疲れを感じたら、まずここから見直してください。
受診を考えたほうがよい、具体的なサイン
休んでも戻らない状態があります。次のようなことが2週間以上続いている場合は、相談を検討してください。
- 眠れない。寝つけない、途中で目が覚める、朝早く目が覚めて眠れない
- 食欲が変わった。食べられない、あるいは止まらない
- 婚活以外のことにも、興味が持てなくなった。これまで楽しめていたことが、楽しくない
- 朝、起きるのがつらい。仕事に行くのが困難
- 集中できない。仕事でミスが増えた
- 理由もなく涙が出る
- 体の不調が続く。頭痛、胃痛、めまい。検査では異常が見つからない
- 自分に価値がないと、繰り返し考えてしまう
- 消えてしまいたいと思うことがある
ためらわず、医療機関か、公的な相談窓口に連絡してください。「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」など、電話で相談できる窓口があります。ひとりで抱えないでください。
これらは「気の持ちよう」ではありません。体と心の状態として起きていることであり、対処の方法があります。
休み方にも、方法がある
「休む」と決めたら、中途半端にしないでください。
1. 退会ではなく、休会や非表示を使う。退会するとプロフィールが消え、再開時に作り直しになります。その手間が億劫で、戻れなくなります。手順は退会と休会の違いに。
2. 課金を止める。使わない月の月額は無駄です。自動更新を解除しておいてください。
3. やりとり中の相手に、一言伝える。「少し時間をいただきます」。放置するより、お互いに気が楽です。
4. アプリを、画面から消す。削除しなくても、フォルダにまとめるだけで目に入らなくなります。
5. 再開の日を決めておく。「1か月後」「繁忙期が終わったら」。決めておかないと、そのまま戻りません。カレンダーに入れてください。
6. 休んでいる間、婚活のことを考えない。「休みながら準備を」と考えると、休んだことになりません。完全に離れる期間を作ってください。
1か月休んでも、不利になることはありません。むしろ、疲れた状態で続けて判断を誤るほうが、失うものが大きいのです。
戻ってくるときの、進め方
休んだあと、同じやり方で再開すると、また同じところで疲れます。戻る前に、少し変えてください。
1. 何に疲れたのかを、書き出す。断ること、待つこと、比べること。特定できれば、そこだけ避ける工夫ができます。
2. 目標を、数ではなく行動にする。「今月中に結婚相手を見つける」ではなく、「今月は2人と会う」。達成できる形にすると、消耗しません。
3. 方法を変えてみる。アプリを変える、結婚相談所を検討する、地域のイベントに出る。同じ方法で疲れたなら、別の方法を試す価値があります。結婚相談所との違いをご覧ください。
4. 期間を区切る。「3か月やって、見直す」。終わりが見えていると、続けやすくなります。
5. 婚活以外の時間を確保する。生活のすべてが婚活になると、うまくいかないときに逃げ場がなくなります。仕事、趣味、友人。他の柱を保ってください。
そして、やめるという選択も、いつでもできます。期限を決めて、それでも合わなければ、別の生き方を選ぶ。それは負けではありません。
誰かに、話す
ひとりで抱えると、疲れは確実に大きくなります。話せる相手を持ってください。
話せる相手の候補
- 同じように婚活をしている友人。状況が分かるので、話が早い
- すでに結婚した友人。ただし、「早く結婚しなよ」と言う相手は避けてください
- 家族。ただし、急かされる場合は距離を取って構いません
- 職場の同僚。言える環境なら
- 結婚相談所の担当者。人が間に入るサービスの、大きな利点です
- 公的な相談窓口。下記を参照してください
話すときのコツ
「解決してほしい」ではなく「聞いてほしい」と先に伝えてください。助言を求めていないのに助言されると、かえって疲れます。「アドバイスじゃなくて、聞いてもらいたいだけなんだけど」と前置きするだけで、話しやすくなります。
話せる相手がいない場合
- 書き出す。紙でも、メモアプリでも。言葉にするだけで、整理されます
- 公的な相談窓口を使う。「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」など、電話で話せる窓口があります
- 自治体の相談窓口。結婚支援を行っている自治体では、相談も受け付けている場合があります
「こんなことで相談していいのか」と思う必要はありません。眠れない、食べられない、日常に支障が出ている——それだけで、相談する理由になります。
回復のために、生活でできること
休むと決めたら、回復のためにできることがあります。
1. 睡眠を、最優先にする。疲れの多くは、ここから来ています。寝る時間を先に決めて、そこから逆算してください。
2. 婚活以外の予定を、意識して入れる。友人と会う、趣味の時間を取る、体を動かす。生活の柱が複数あると、ひとつがうまくいかなくても倒れません。
3. 画面を見る時間を、減らす。アプリだけでなく、SNSも。比較の材料が目に入らなくなります。
4. 体を動かす。激しい運動でなくて構いません。15分の散歩でも、気分に影響します。
5. 太陽の光を浴びる。とくに朝。生活のリズムが整います。
6. できたことを、記録する。「今日は散歩した」「早く寝た」。できなかったことではなく、できたことを数えてください。
7. 期限を決めて休む。「1か月休む」。終わりが決まっていると、休むことに罪悪感を持たずに済みます。
そして、休んでいる間に、婚活のことを考えないでください。「休みながら準備を」と考えると、休んだことになりません。完全に離れる期間を作ることが、回復には必要です。
1か月休んでも、機会は失われません。むしろ、疲れたまま続けて判断を誤るほうが、失うものは大きくなります。
相談先
心療内科で相談できます
「婚活で疲れた」という理由で受診して構いません。眠れない、気分が落ち込む、体の不調が続く。そうした状態が続いているなら、早い段階で相談してください。
よくある質問
こんなことで受診してもいいのでしょうか。
薬を飲むことになりますか?
受診したことが職場に知られませんか?
婚活はやめたほうがいいですか?
休むと、機会を逃す気がして踏み切れません。
心療内科は、どういうときに行くものですか?
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