結婚を考えたとき、選択肢はマッチングアプリだけではありません。結婚相談所という道もあります。費用も、進み方も、間に入る人の有無も違う2つを、どう選び分ければいいのかを整理しました。
いちばんの違いは「人が間に入るかどうか」
マッチングアプリは、相手探しから連絡、日程調整、交際の判断まで、すべて自分で進めます。結婚相談所は、その多くを担当者(仲人・カウンセラー)が担います。
この差は、思っている以上に大きく効きます。自分ひとりで進められる人にとってアプリは自由で効率的ですが、途中で止まってしまう人にとっては、間に入ってくれる人がいるかどうかが結果を分けます。
費用の構造が根本的に違う
| マッチングアプリ | 結婚相談所 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | なし | 入会金・登録料がかかる |
| 継続費用 | 月額制が主流 | 月会費に加え、お見合いごとの費用が発生する場合がある |
| 成婚時 | なし | 成婚料がかかることが多い |
| 総額の目安 | 月々の負担は小さい | アプリより一桁大きくなることが一般的 |
金額はサービスによって大きく異なるため、具体的な数字は必ず公式の料金表で確認してください。ここで押さえておきたいのは、結婚相談所は「成果に対して払う」構造になっていることが多いという点です。成婚料があるということは、相談所側も成婚させる動機を持っているということでもあります。
進み方の違い
| 場面 | マッチングアプリ | 結婚相談所 |
|---|---|---|
| 相手探し | 自分で検索する | 担当者が紹介する+自分でも探せる |
| 相手の身元 | 年齢確認のみが基本 | 独身証明書・収入証明・卒業証明などの提出が必要な場合が多い |
| 連絡 | 自分でメッセージを送る | お見合いの日程調整まで担当者が行う場合がある |
| 断るとき | 自分で伝える/既読のまま終わる | 担当者経由で伝えられる |
| 相談相手 | 基本的にいない | 担当者に随時相談できる |
「断るとき」の負担の差は見落とされがちですが、実際に婚活を続けるうえで大きな要素です。自分で断りの言葉を考えるのが苦痛でやめてしまう人は少なくありません。
どちらを選ぶかの判断基準
マッチングアプリが向いている人
- 自分のペースで、費用を抑えて始めたい
- まず多くの人を見て、感覚をつかみたい
- 結婚の時期をまだ決めていない
- 自分で連絡や日程調整を進められる
結婚相談所が向いている人
- 期限を決めて、確実に進めたい
- 相手の身元がはっきりしていることを重視する
- 自分ひとりだと止まってしまう自覚がある
- 費用をかけてでも、時間を節約したい
「アプリの手軽さで、でも誰かに相談しながら進めたい」という方には、アドバイザーや仲人が関わるサポート型のサービスという選択肢があります。費用は相談所ほどかからず、ひとりで抱え込まずに済みます。両者の中間として検討する価値があります。
1年間の費用と手間を、並べて比べる
言葉で説明するより、数字を並べたほうが違いが分かります。
| マッチングアプリ | 結婚相談所 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | なし | 入会金・登録料で5万〜15万円 |
| 月額 | 3,000〜4,000円 | 1万〜2万円 |
| 成婚時の費用 | なし | 5万〜30万円 |
| 1年の合計目安 | 3万〜5万円 | 20万〜60万円 |
| 相手を探す人 | 自分 | 担当者+自分 |
| 日程調整 | 自分 | 担当者 |
| 断りの連絡 | 自分(または無反応で終わる) | 担当者が伝えてくれる |
| 相手の身元 | 年齢確認は必須。他は任意 | 独身証明・収入証明が必須のことが多い |
| 会うまでの期間 | 1か月程度 | 2週間程度(お見合いの形式が決まっている) |
費用は10倍ほど違いますが、その差は「自分でやるか、人にやってもらうか」の差です。どちらが優れているという話ではありません。
向き不向きは、性格ではなく状況で決まる
「自分で進められる人はアプリ、苦手な人は相談所」と言われることがありますが、実際には状況で決まる部分が大きいと感じます。
アプリのほうが合う状況
- 時間に融通が利く。夜や休日にやりとりできる
- 自分のペースで進めたい。急かされたくない
- まず試してみたい。大きな費用をかける前に感触を知りたい
- 候補を自分の目で選びたい。紹介されるより探すほうが納得できる
相談所のほうが合う状況
- 仕事が忙しく、やりとりに時間を割けない
- 期限がある。1年以内に決めたいなど
- アプリで一度つまずいた。同じやり方を繰り返しても結果は変わらない
- 断ることが苦手。間に人が入るだけで気持ちの負担が変わる
3つめが特に大きいところです。一度うまくいかなかった人が同じ進め方を続けても、結果は変わりません。仕組みそのものを変えるほうが早い場面があります。
両方を使うという選び方
どちらか一方に決める必要はありません。実際、両方を並行して使う人は珍しくありません。
組み合わせ方としては、相談所で紹介を受けながら、アプリでも自分で探すという形が一般的です。相談所の紹介は数に限りがあるため、その間の時間をアプリで補うという考え方です。
ただし、注意点が2つあります。
- 相談所によっては、他サービスの併用を禁じている場合があります。入会前に確認してください
- やりとりする人数が増えすぎると、一人ひとりへの対応が雑になります。合わせて5人程度までにとどめるのが現実的です
費用の観点からは、先にアプリで3〜6か月試すのが無理のない順序です。そこで手応えがあれば続ければよく、進め方に迷いが出たら相談所を検討する。逆の順序だと、大きな費用をかけたあとで「自分でもできた」と感じることがあります。
相談所を選ぶときに確認すること
相談所を検討する場合、次の点を入会前に確認してください。入会金を払ってからでは、変更が難しくなります。
| 確認する項目 | なぜ大切か |
|---|---|
| 登録している会員の人数と年齢層 | 自分の年代に候補がいるか |
| 加盟している連盟 | 連盟の会員も紹介されるため、母数が変わる |
| 担当者が固定されるか | 毎回変わると、相談の積み重ねができない |
| 1か月に紹介される人数 | 少なすぎると、費用に見合わない |
| 成婚料の定義 | 「成婚」の定義は相談所によって違う |
| 途中解約の条件 | 返金の有無と、その計算方法 |
5つめの「成婚の定義」は、後で揉めやすいところです。婚約した時点なのか、交際が始まった時点なのか。相談所によって違うので、契約前に文書で確認しておいてください。
結婚相談所にも、種類がある
「結婚相談所」とひとくくりにされますが、中身はかなり違います。選ぶ前に、この違いを知っておいてください。
| タイプ | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 仲人型 | 担当者が相手を選び、引き合わせる。手厚いぶん費用も高め | 自分で選ぶのが苦手な人、進め方に不安がある人 |
| データマッチング型 | 条件から相手を検索する。担当者の関与は少なめ | 自分で選びたい人、費用を抑えたい人 |
| 併用型 | 検索もでき、必要なときに相談もできる | いちばん一般的な形 |
| 自治体の支援センター | 登録料が安い。独身証明書の提出があり、身元確認は厳格 | 費用を抑えつつ、確実性も求める人 |
もうひとつ知っておきたいのが、「連盟」の仕組みです。個人経営の相談所の多くは、大きな連盟に加盟しています。加盟していれば、その連盟に登録している会員全体から相手を探せます。
つまり、相談所の規模=会員数、ではありません。小さな相談所でも、連盟を通じて数万人規模の会員から探せる場合があります。入会前に「どの連盟に加盟しているか」を必ず確認してください。
入会から成婚までの、流れ
実際にどう進むのかを知っておくと、費用と手間の見通しが立ちます。
1. 無料相談。費用の説明、会員の傾向、進め方を聞きます。ここで契約を急がされる場合は、いったん持ち帰ってください。
2. 入会手続き。独身証明書、収入証明、身分証などを提出します。書類を揃えるのに、2週間ほどかかることがあります。独身証明書は本籍地の役所で取得します。
3. プロフィールの作成。写真撮影を含むことが多く、担当者が一緒に作ります。
4. お見合いの申し込み・受諾。月に申し込める人数に上限があるのが一般的です。
5. お見合い。ホテルのラウンジなどで、1時間程度。担当者が日程を調整してくれます。
6. 仮交際。複数の相手と同時に進められる期間です。
7. 真剣交際。1人に絞り、結婚を前提に進めます。
8. 成婚退会。ここで成婚料が発生する相談所が一般的です。
アプリとの最大の違いは、5と6の間に担当者が入ることです。断りの連絡も、相手の意向の確認も、担当者が行います。ここが苦手な方には、大きな利点になります。
やめるときの、確認事項
入会前に、やめるときのことを確認しておいてください。ここを見落とすと、後で困ります。
- 中途解約の可否と、返金の条件。結婚相手紹介サービスは、特定商取引法の対象となる場合があります。クーリング・オフや中途解約の規定が適用されることがあります
- 契約期間。「最低6か月」といった縛りがあるか
- 休会制度。仕事や体調で一時的に休めるか。月会費はどうなるか
- 成婚料の発生条件。「成婚」の定義が、相談所によって違います。交際成立で発生するのか、婚約で発生するのか。ここは必ず確認してください
- 担当者が変わる可能性。合わない場合に変更できるか
その場で契約を求められても、「持ち帰って検討します」と言って構いません。まっとうな事業者であれば、断られません。急がせる、値引きを条件に即決を求める——こうした対応があった場合は、慎重になってください。判断に迷ったら、消費者ホットライン「188」で相談できます。
費用の総額と、やめるときの条件。この2つを確認してから決めれば、大きな失敗にはなりません。
どちらを選ぶか、3つの質問で決める
比較の情報が多くて決められない場合、次の3つに答えてみてください。
1.「自分で選びたいか、提案してほしいか」
条件で絞り込むのが得意で、やりとりも自分で進められるなら、アプリ。迷ってしまう、進め方に自信がない、断るのが苦手なら、相談所が向いています。
2.「いつまでに結婚したいか」
期限が明確なら、相談所のほうが早い場合があります。会員の目的が揃っており、担当者が日程調整まで行うためです。時期にこだわらないなら、アプリで十分です。
3.「1年でいくらまで出せるか」
アプリなら年間4〜5万円程度。相談所は、初期費用と月額と成婚料で、数十万円になることがあります。ここで現実的な選択が決まります。
この3つで、方向は決まります。
そして、迷うなら、まずアプリから始めてください。費用が軽く、無料で試せる範囲も広い。3か月やって手応えがなければ、相談所を検討する。この順番が、いちばん無駄がありません。
よくある質問
両方を同時に使ってもいいですか?
成婚率が高いのはどちらですか?
アプリで結果が出なかったら、相談所に行くべきですか?
アプリで結婚した人と、相談所で結婚した人に違いはありますか
相談所は費用が高すぎて手が出ません
アプリで挫折しました。相談所なら大丈夫でしょうか
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