仕事の欄は、書きすぎても書かなすぎても損をします。個人が特定されない範囲で、どこまで書けばよいのかを整理しました。
相手が知りたいのは会社名ではない
仕事について相手が知りたいのは、次の3点です。
- 生活リズム。平日休みか、帰りは遅いか、転勤の可能性はあるか
- 安定しているか。将来を考えるうえでの現実的な関心です
- どういう時間を過ごしている人か。人物像の手がかり
会社名は、このどれにも必要ありません。むしろ、書くと個人が特定されるリスクだけが増えます。
書き方の目安
| 書く | 書かない |
|---|---|
| 業種(IT、医療、建設、教育など) | 会社名 |
| おおまかな職種(営業、事務、開発) | 部署名、役職の詳細 |
| 生活リズム(土日休み、シフト制) | 勤務先の所在地 |
| 転勤の有無(分かる範囲で) | 取引先や担当業務の詳細 |
例:「都内でシステム開発の仕事をしています。基本は土日休みですが、繁忙期は遅くなることもあります。」この程度で、相手が知りたいことは十分に伝わります。
年収欄をどうするか
項目がある場合は、正直に選んでください。空欄にすると「書けない事情がある」と受け取られることがあります。
ただし、文章の中で強調する必要はありません。数字は項目に任せて、文章では仕事の内容や姿勢を書くほうが人物像が伝わります。
年収を実際より高く申告すると、交際が進んだ段階で必ず問題になります。生活設計に関わる部分なので、信頼の失い方が大きい項目です。
職業別の注意点
- 公務員・教員。職場が特定されやすいので、地域名は書かないほうが無難です
- 医療従事者。勤務先の病院名は避け、「医療関係」程度に
- 経営者・自営業。「経営者」だけだと業者と疑われることがあります。業種を添えてください
- 接客・サービス業。店舗名を書くと、来店されるリスクがあります
- 転職活動中・休職中。無理に隠す必要はありません。「現在は次の仕事を探しています」で構いません
粒度は「業種+職種」まで
どこまで書くかで迷ったら、「業種+職種」で止めると覚えてください。会社名は不要、職種だけでも足りない、その中間です。
| 足りない | ちょうどよい | 書きすぎ |
|---|---|---|
| 会社員 | メーカーで法人向けの営業をしています | 〇〇株式会社の第二営業部です |
| 医療系 | 総合病院で看護師をしています | 〇〇病院の外科病棟にいます |
| 公務員 | 市役所で窓口の仕事をしています | 〇〇市役所の市民課です |
| 自営業 | 都内で小さな飲食店をやっています | 〇〇という店を〇〇駅前で |
| 技術職 | ソフトウェアの開発をしています | 〇〇のサービスを作っています |
左端が損をするのは、会話の入口がないからです。「会社員です」と書かれていても、相手は何も聞けません。右端が危ないのは、会社名と地域が揃うと個人が特定できてしまうからです。詳しくは個人情報はどこまで話すかをご覧ください。
真ん中の書き方であれば、人物像は伝わるのに、特定はされません。ここを狙ってください。
生活が想像できる情報を、1行足す
職種以上に相手が知りたいのは、「一緒に過ごせる時間があるかどうか」です。ここを書いていない人が非常に多い。
次のうち、当てはまるものを1行足してください。
- 勤務形態。「基本は土日休みです」「シフト制で、平日に休みが取れます」「夜勤が月に4回あります」
- 帰宅時間の目安。「定時で上がれる日が多いです」「繁忙期は遅くなります」
- 転勤の有無。結婚を考える相手にとっては、大きな情報です。「転勤のない職種です」の一言に価値があります
- 繁忙期。「年度末は忙しくなります」。返信が遅れる理由にもなり、あらかじめ書いておくと誤解が減ります
- 働き方の希望。「結婚後も続けたいと思っています」「状況によって考えたいです」
「シフト制で平日に休みがあります」と書いてあれば、相手は平日の予定を提案できます。書いていないと、まず「お休みはいつですか」から始まります。やりとりを1往復減らせる情報だと考えてください。
年収欄は、3つの選択肢がある
年収の扱いに正解はありませんが、選択肢と、それぞれの結果を知っておくと決めやすくなります。
1. 正直に書く。おすすめの選択です。条件で絞る相手には届きませんが、届いた相手とは前提が揃っています。会ったあとに揉める要素がなくなるのが、いちばんの利点です。
2. 空欄にする。不利にはなりますが、選択としてはあり得ます。ただし空欄が多いプロフィールは真剣度が低く見えるため、他の項目はすべて埋めたうえでにしてください。年収だけ空欄なら、事情があると受け取られます。
3. 多めに書く。やめてください。会って話せば、生活の様子から必ず食い違いが出ます。そして年収の問題ではなく、嘘をついたことの問題になります。失うものが大きすぎます。
なお、年収の区分は税込みの額面で書くのが一般的です。手取りで書くと低く出て、こちらが損をします。歩合や賞与で変動する場合は、直近の実績で構いません。
書き添えると効く一言もあります。「共働きを希望しています」「家計は相談して決めたいです」。金額そのものより、お金についてどう考えているかのほうが、実際には重視されます。
状況別の書き方
働き方が定型に当てはまらない場合の書き方です。隠すより、一言添えるほうがうまくいきます。
転職活動中の場合。「現在、転職活動中です。〇〇の分野で探しています」。空欄にすると勘ぐられますが、書いてあれば前向きに受け取られます。決まってから始める必要はありません。
非正規雇用の場合。「契約社員として〇〇の仕事をしています」。雇用形態を書く欄があれば正直に。そのうえで、勤続年数や仕事の内容を添えると、印象が変わります。
自営業・フリーランスの場合。「個人で〇〇の仕事をしています。8年目です」。年数を入れると安定感が伝わります。収入の波がある場合も、隠さず「波はありますが」と書いて構いません。
専業主婦・主夫を希望する場合。「結婚後は家庭に入ることも考えています」。希望は先に書くほうがお互いのためです。
療養中・休職中の場合。詳細を書く必要はありませんが、「現在は療養しており、体調を見ながら進めたいです」と書いておくと、返信の遅さなども理解されます。
夜職・水商売の場合。アプリによっては書き方に制約があります。「飲食業」「接客業」といった範囲で書き、時間帯だけ添えるのが現実的です。
会社名を伝える順番
いつ、どこまで明かすか。順番を決めておけば、迷いません。
プロフィール:業種+職種まで。会社名は書かない。
やりとりの段階:勤務地の最寄り駅くらいまで。「〇〇のあたりで働いています」。会う場所を決めるのに必要な範囲です。
会ってから:業務の内容を、もう少し詳しく。会話の中で自然に出る範囲で構いません。会社名は、まだ不要です。
2回目・3回目以降:会社名を伝えてよい段階。お互いの人となりが分かってからで、まったく遅くありません。
交際が始まってから:職場の人間関係や、収入の詳細。ここは信頼関係ができてからです。
この順番の意味は、「相手が誠実だと分かってから、取り返しのつかない情報を渡す」という一点にあります。会社名は、いったん伝えると取り消せません。急いで伝える理由がない情報は、急がないでください。
相手が早い段階でしつこく会社名を聞いてくる場合は、注意が必要です。営業目的や、身元の特定を狙っている可能性があります。業者アカウントの見分け方もあわせてご覧ください。
相手の職業欄を、どう読むか
自分の書き方だけでなく、相手の書き方から読み取れることがあります。
| 相手の書き方 | 読み取れること |
|---|---|
| 業種+職種まで具体的 | 誠実に書いている可能性が高い |
| 「会社員」だけ、他も空欄 | 書く気がないか、真剣度が低い場合があります |
| 「経営者」「投資家」で、20代前半 | 注意。勧誘目的の可能性を考えてください |
| 「自由業」「その他」で、説明がない | 詳しく聞いてみる価値があります |
| 年収だけ極端に高く、他は空欄 | 盛っている可能性、または勧誘目的 |
| 職業と、写真や生活の様子が噛み合わない | やりとりの中で確かめてください |
とくに注意したいのが、3番目と5番目です。「若くして成功している」という設定は、投資や副業の勧誘でよく使われます(勧誘の見分け方)。
ただし、書き方が簡素だからといって、すぐに切らないでください。職業を詳しく書けない事情がある方——教員、医療職、公務員など——も実際にいます。やりとりの中で、自然に聞いてみるのがいちばんです。
聞き方の例
差し支えない範囲で構いません。
「差し支えない範囲で」を添えると、相手が答えやすくなります。
働き方が変わる時期の、書き方
転職や退職、休職の時期に婚活をしている方も多くいます。状況別に、書き方を用意しておいてください。
転職活動中
空欄にすると勘ぐられますが、書いてあれば前向きに受け取られます。決まってから始める必要はありません。
転職が決まっているが、まだ働いていない
退職して、次を探している
理由を細かく書く必要はありません。聞かれたら答えれば十分です。
休職中・療養中
病名を書く必要はありません。返信が遅くなる可能性を伝えておくと、誤解が減ります。
共通して大切なこと
- 嘘を書かない。会って話せば、必ず食い違いが出ます
- 詳細を書きすぎない。状況と、いまの方向性だけで足ります
- 謝らない。「不安定ですみません」と書くと、そこが焦点になります
- 状況が変わったら、更新する
そして、いまの状況を理由に婚活を先送りしないでください。「落ち着いてから」と考えていると、何年も過ぎます。状況を正直に書いたうえで、理解のある方と出会うほうが、確実です。
書き終えたあとの、確認
職業欄を書いたら、次の5点を確認してください。
- 1. 業種と職種の両方が書かれているか。「会社員」だけでは、会話の入口がありません
- 2. 会社名が入っていないか。地域と組み合わせると、個人が特定されます
- 3. 勤務形態が書かれているか。「土日休み」「シフト制」。会える日が伝わると、話が早く進みます
- 4. 転勤の有無に触れているか。結婚を考える相手にとって、大きな情報です
- 5. 専門用語が入っていないか。その分野を知らない人にも分かる言葉になっているか
この5点で、多くの問題は防げます。
特に3番目が抜けていることが多いのですが、ここを書いておくと、日程調整のやりとりが1往復減ります。
そして、状況が変わったら更新してください。転職、異動、勤務形態の変更。古いままだと、会う話になったときに食い違います。
最後に、読み返して「自慢に読めないか」を確認してください。実績や役職を並べると、意図とは違う印象を与えます。相手が知りたいのは、実績ではなく生活のリズムです。
よくある質問
職業を隠すと怪しまれませんか?
仕事に自信がありません。
いつ会社名を伝えますか?
仕事の話ばかり聞かれて、疲れます。
職種を書くと、身元が特定されそうです。
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