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「アプリで出会ったって言いにくい」がなくなるまでの話

公開 2026.08.15 更新 2026.08.16

「アプリで出会ったなんて、人に言えない」。そう感じてなかなか登録できない方、始めたことを誰にも言えずにいる方へ。その気持ちがどこから来るのか、そしていつのまにか気にならなくなる理由を書きました。

恥ずかしさの正体

この感覚を分解すると、たいてい次のどれかです。

いずれも、他人からどう見えるかの話です。あなた自身が「これは良くないことだ」と思っているわけではないはずです。ここに気づくと、少し軽くなります。

そして、実際のところ他人はそこまで見ていません。友人が「アプリで知り合った人と付き合っている」と言ったとき、あなたはその人を下に見たでしょうか。おそらく「よかったね」と思っただけのはずです。

状況はこの10年で変わった

かつて「出会い系」という言葉には、危ない印象がついていました。実際、法整備が追いついていない時期があり、トラブルも報じられていました。その記憶が、いまも抵抗感として残っています。

けれど現在は、公的な身分証による年齢確認が法律で義務づけられ、24時間の監視体制を敷くサービスが一般的です。利用者層も広がり、結婚した人の出会いのきっかけとして上位に入る調査結果も出ています。

環境が変わったのに、印象だけが昔のまま残っている。それが、いまの「恥ずかしさ」の実態です。

誰にも言わずに始めていい

気持ちの整理がつかないうちは、誰にも言わずに始めて構いません。多くのサービスには、次のような機能があります。

もし知り合いを見つけても
お互いさまです。その人も同じことを考えて登録しています。見なかったことにして、そっと画面を閉じれば済みます。相手も同じようにするはずです。

聞かれたときの答え方

交際が始まると、周囲から「どこで知り合ったの?」と聞かれます。答え方に決まりはありません。

大事なのは、パートナーと話を合わせておくことです。片方が正直に話し、片方がぼかしていると、後から気まずくなります。交際が始まった段階で、一度だけ相談しておくとよいでしょう。

そして、多くの方が言うことですが、関係が深まるほど、出会い方はどうでもよくなります。何年か経ったとき、話題に上るとしたら笑い話としてです。

恥ずかしさは、3つに分けて考えられる

「恥ずかしい」というひとことの中に、実は性質の違う感情が混ざっています。分けてみると、それぞれに対処のしかたがあることが分かります。

1. 知人に見つかることへの不安

これは具体的な心配なので、対処もできます。多くのサービスに「連絡先を知っている人を互いに非表示にする」機能があります。スマートフォンの連絡先を参照して、登録済みの知人がいれば、お互いの画面から消える仕組みです。登録時に設定しておけば、鉢合わせの可能性は大きく下がります。

加えて、名前はニックネームで構いません。写真も、顔をはっきり写したものを最初から載せる必要はなく、やりとりが始まってから個別に送るという使い方もできます。

2. 「自分で探さないと出会えない」ことへの引け目

これがいちばん根深いところかもしれません。自然に出会うのが望ましくて、探しに行くのは不足の表れだ、という感覚です。

ただ、少し引いて考えてみてください。仕事を探すときに求人情報を見るのは、恥ずかしいことでしょうか。住む場所を探すときに不動産情報を見るのは、どうでしょうか。人生の大きな選択ほど、情報を集めて自分で選ぶのが当たり前になっています。結婚だけが例外である理由はありません。

3. うまくいかなかったときの、自分への評価

反応がなかったらどうしよう、という不安です。これは、始める前より始めたあとに強くなることが多いものです。

先に知っておいてほしいのは、「いいね」が返る割合は数パーセントから十数パーセントが一般的だということです。100人に送って数人と話が続けば、それが標準です。返ってこないのは普通のことであって、自分が否定されたわけではありません。

周囲の受け止め方は、実際どう変わったか

気持ちの問題だけでなく、環境の側も変わりました。

まず、利用者数が大きく増えました。いま結婚した夫婦のうち、少なくない割合がアプリで出会っています。統計の取り方によって数字は変わりますが、「珍しい出会い方」ではなくなったことは確かです。

次に、自治体が関わる例が出てきました。少子化対策の一環として、都道府県や市町村が独自のマッチング事業を運営したり、民間サービスと連携したりする動きがあります。行政が関わっているという事実は、この手段への見方を変えました。

そして、報道の質が変わりました。かつてはトラブルの文脈で取り上げられることが中心でしたが、いまは出会いの手段のひとつとして紹介されることが増えています。

もちろん、地域や世代によって受け止め方に差はあります。変わっていないところがあることも事実です。ただ、それは自分が始めない理由にはなりません。

周りに言わずに続ける、という選び方

誰にも言わずに始めて構いません。むしろ、そのほうが気楽に続けられる場合があります。

人に話すと、応援してくれる一方で、進み具合を聞かれることがあります。悪気はなくても、「あれからどう?」と聞かれ続けると、それ自体が負担になります。うまくいっていないときは特にそうです。

話すとしても、相手は選んでください。目安としては、次のような人であれば安心です。

逆に、良かれと思って周囲に広めてしまう人、相手の条件について意見を言いたがる人には、話さないほうが穏やかに進みます。

始めるときの、最初のひと月

気持ちの整理がついたら、あとは手を動かすだけです。恥ずかしさが薄れるのは、たいてい始めてしばらく経ってからです。

最初のひと月は、次のように進めてください。

1週目は、準備だけ。写真を3枚そろえて、自己紹介文を書きます。まだ誰にも「いいね」を送らなくて構いません。プロフィールを作る作業に集中すると、不思議と気持ちが落ち着きます。

2週目から、少しずつ送る。1日10人程度に絞って送ります。返ってこなくても気にしないでください。この段階では、送ることに慣れるのが目的です。

3週目、やりとりが始まったら。返信は24時間以内を心がけます。長文でなくて構いません。続けることのほうが大切です。

4週目、会う提案をしてみる。話が合う相手がいれば、カフェで1時間から。ここまで来れば、恥ずかしさはほとんど残っていないはずです。

合わないと感じたら、やめていい
始めてみて、どうしても気が進まないのであれば、やめて構いません。この方法が合わない人もいます。婚活パーティー、知人の紹介、趣味の集まり。出会いの手段はほかにもあります。合わないことが分かったのも、ひとつの前進です。

恥ずかしさが、行動を止めている場面

気持ちの問題として片づけられがちですが、恥ずかしさは、具体的な行動を止めています。心当たりがないか、確かめてみてください。

このうち、上の2つが結果に直結します。写真とプロフィールが弱いと、何をしても反応は出ません。

解決策は、隠すことをやめることではありません。「知り合いに会わない」設定や、マッチングした相手にだけ写真を見せる設定を使えば、恥ずかしさへの対処と、写真を出すことは両立します。方法は顔写真を出せないときにまとめました。

気持ちを変えようとするより、仕組みで解決してください。そのほうが早く、確実です。

結婚したあと、どう話すか

いま恥ずかしいと感じている方が、次に心配するのが「結婚したとき、出会いをどう説明するか」です。先に考えておくと、いまの不安が軽くなります。

選択肢は、3つあります。

1. そのまま話す。「マッチングアプリで知り合いました」。いまは、これで驚かれることはほとんどありません。同じ経緯の夫婦が周囲にいることが多いためです。

2. 言い換える。「共通の知人を通じて」「インターネットで知り合って」。嘘ではない範囲で、表現を選ぶことはできます。

3. 詳しく話さない。「縁があって」で済ませる。出会いの経緯を説明する義務は、そもそもありません。

大切なのは、二人で答えを揃えておくことです。片方が「アプリで」と言い、もう片方が「紹介で」と言うと、その食い違いのほうが問題になります。

そして、後から訂正するのは避けてください。「実はアプリで」と後で明かすと、出会い方ではなく隠していたことのほうが問題になります。

親への紹介のしかたは親への紹介に、伝え方の実例をまとめています。

周りに知られないための、設定一覧

恥ずかしさへの対処は、気持ちを変えることではなく、設定で解決できます。登録直後に、次を済ませてください。

設定 効果 場所
知り合いに会わない機能 電話帳やSNSの友だちと、お互いに非表示になります 設定 → プライバシー
プライベートモード マッチングした相手にだけ、プロフィールが見えます 設定(有料のことが多い)
写真のぼかし マッチングするまで、顔がぼかされます 写真の設定
通知の内容を隠す ロック画面に、メッセージの中身が出なくなります スマートフォンの設定
アプリのアイコンを移動 フォルダにまとめると、目につきません ホーム画面
ニックネームを、SNSと別にする 検索でつながりません プロフィール

この6つで、知られる可能性はかなり下がります。合計10分ほどの作業です。

とくに1番目は、登録直後にいちばん先にやってください。後からでは、すでに表示されている可能性があります。

そして、写真は出してください。設定で公開範囲を絞れるので、「知られたくない」と「写真を出す」は両立します。風景写真だけにすると、反応が大きく下がります。

よくある質問

親に知られたくないのですが。
交際が固まるまで言う必要はありません。紹介する段になったら、「知人を通じて」でも「ご縁があって」でも構いません。近年は親世代の理解も進んでいて、正直に話しても受け入れられることが増えています。
職場の人に見つかりたくありません。
連絡先の同期による非表示機能があるサービスを選んでください。また、プロフィール写真で職場が特定できる背景(制服、社内、社名の入った物)が写らないようにするだけでも、かなり違います。
始めるのに勇気が要ります。
登録だけしてみて、しばらく眺めているだけでも構いません。どんな人がいるかを見るだけなら無料です。「いいね」を送るかどうかは、その後で決めれば大丈夫です。
職場の人に見つかったらどうしようと不安です
連絡先を知っている相手を非表示にする機能を、登録時に設定しておいてください。それでも不安であれば、顔がはっきり分かる写真を1枚目にせず、やりとりが始まってから送る使い方もできます。
友人に打ち明けたら、心配されてしまいました
その方が知っているのは、おそらく10年以上前の状況です。いまは年齢確認が義務づけられ、監視体制のあるサービスが主流だと伝えてみてください。それでも心配が続くようであれば、無理に説明しなくても構いません。

監修

結 太朗 /縁結び士・エンムス プロデューサー

監修日:2026-08-15

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