交際が進むと、いずれ家族に紹介する場面が来ます。「アプリで出会った」とどう伝えるか。悩む方が多いところですが、いまは受け止められ方も変わってきています。
まず、二人で話を合わせる
いちばん避けたいのは、片方が「アプリで」と言い、もう片方が「知人の紹介で」と言ってしまうことです。食い違いが後から発覚すると、隠していた印象だけが残ります。
紹介する前に、一度だけ確認してください。「どう言おうか」と聞くだけで済みます。
伝え方の選択肢
| 伝え方 | 向いている場合 |
|---|---|
| 正直に「マッチングアプリで」 | 親世代がネットに理解がある場合。いまは最も多い選択です |
| 「共通の知人を通じて」 | 広い意味では嘘ではありませんが、詳しく聞かれると苦しくなります |
| 「ご縁があって」 | 詳細を語らない。追及されなければ、これで十分です |
| 「結婚相談所のようなサービスで」 | 婚活型のサービスなら、実態に近い説明です |
おすすめは1番目か4番目です。後から訂正する必要がなく、話が広がっても困りません。
親世代の受け止め方は変わってきている
「アプリ」と聞いて心配されるのは、かつての出会い系の印象が残っているためです。次のように説明すると、受け止め方が変わることがあります。
- 本人確認があること。「公的な身分証で年齢確認をしている」
- 利用者が多いこと。「いまは結婚した人の出会いのきっかけとして上位に入っている」
- 時間をかけて知り合ったこと。「何度も会って、話をしてきた」
親が心配しているのは出会い方ではなく、相手が信頼できる人かどうかです。そこが伝われば、経緯は問題になりにくくなります。
反対されたときの対応
- その場で説得しようとしない。感情的な反発は、時間が解決することが多いものです
- 相手の人となりを知ってもらう機会を作る。会って話せば、印象は変わります
- パートナーを守る。親の前でパートナーを否定しないでください。ここでの態度は、その後ずっと記憶されます
「アプリだから」というのは表面的な理由で、実際には別の懸念(年齢、仕事、住む場所など)があることもあります。何が心配なのかを聞くと、対応できることが見つかる場合があります。
そのまま使える、伝え方の実例
言葉が決まっていないと、その場で詰まります。状況別に用意しておいてください。
そのまま伝える場合
最近は、こういう出会い方をする人がずいぶん増えているみたい。〇〇さん(友人の名前)も、そうで結婚したよ。
今度、会ってもらえたらと思っているんだけど。
ポイントは、身近な実例を添えることです。「世間で増えている」より、「知っている人がそうだった」のほうが、はるかに納得されます。
言い換えて伝える場合
嘘をつくのは避けたいところですが、「インターネットを通じて知り合った」「紹介のサービスで出会った」といった言い方であれば、事実と外れません。
結婚を前提にしている場合
半年ほどお付き合いして、この人となら、と思っています。一度会ってほしい。
この場合は、「真剣に付き合っている期間」を先に伝えると、受け止められ方が変わります。
紹介の場の、段取り
会う場を作るとき、決めておくことが5つあります。ここが整っていると、当日が穏やかに進みます。
- 場所。実家か、外の店か。初回は外のほうが、双方の負担が軽くなります。個室のある落ち着いた店を、こちらで予約しておきます
- 時間。2時間程度。長すぎると、話題が尽きて気詰まりになります。ランチの時間帯が扱いやすい
- 手土産。3,000円前後の菓子折りが無難です。日持ちのするもの、切り分けられるもの
- 服装。男性は襟のあるシャツにジャケット、女性は落ち着いた色のワンピースかブラウス。かしこまりすぎず、崩しすぎず
- 誰が同席するか。初回は両親のみが基本です。兄弟や祖父母まで揃うと、相手の負担が大きくなります
親の名前、仕事、性格の傾向、話題にしてほしくないこと。相手が心の準備をできる情報を、事前に伝えておいてください。「うちの父は口数が少ないけれど、機嫌が悪いわけではない」の一言があるだけで、当日の緊張がまったく違います。
聞かれることと、答えの準備
親から出る質問は、だいたい決まっています。二人で答えを揃えておいてください。その場で食い違うと、それだけで不安を与えます。
- どこで、どうやって知り合ったのか。最初の関門です。答えを揃えておきます
- 相手の仕事、勤務先、勤続年数
- 相手のご家族について。両親の健在、兄弟の有無、実家の場所
- 結婚の時期。「まだ決めていません」でも構いませんが、二人で同じ答えを言えることが大切です
- 住む場所。とくに実家との距離を気にされることが多い項目です
- 子どもについて。踏み込んだ質問ですが、出ることがあります。「二人で話しています」で十分です
答えに困ったら、正直に「まだ話し合っているところです」と言ってください。取り繕った答えは、あとで矛盾します。
そして、相手が答えにくい質問が出たら、あいだに入ってください。ここでかばえるかどうかを、相手はよく見ています。「そのあたりは、二人でこれから決めます」と引き取れば十分です。
反対されたときの、進め方
反対された場合、その場で説得しようとしないでください。感情が高ぶった状態では、何を言っても届きません。
1. まず、理由を聞く。「アプリだから」なのか、相手の職業・年齢・家庭環境なのか、あるいは単に驚いただけなのか。反対の理由が違えば、対処も変わります。
2. その場では引く。「分かった、また話そう」。言い返すと、態度が固まってしまいます。
3. 時間を置いて、事実を積み重ねる。相手の人柄が伝わる具体的な話を、少しずつ。「この前、こんなことがあって」。抽象的な擁護より、日常の話のほうが効きます。
4. 二度、三度と会う機会を作る。一度で判断されたことは、二度目、三度目で変わることがあります。
5. それでも変わらない場合は、期限を決める。親の同意を待ち続けて、何年も宙に浮くことがあります。二人の人生の決定権は、二人にあります。理解が得られないまま進むという選択も、あり得ます。
ただし、親が具体的な事実を指摘して反対している場合は、一度立ち止まってください。借金、経歴の食い違い、素行。感情ではなく事実に基づく懸念なら、確認する価値があります。
相手のご両親に会うとき
立場が逆になる場面も来ます。準備することは、そう多くありません。
持っていくもの。手土産(3,000円前後)。相手の実家の地元にない、自分の地元の名産だと話題になります。紙袋から出して、両手で渡すこと。
話すこと。自分の仕事、家族構成、相手のどこに惹かれたか。「大切にします」という一言は、必ず伝えてください。形式的に思えても、親にとっては大きな意味を持ちます。
聞くこと。相手の子どものころの話。親は話したいものですし、場が和みます。
避けること。収入や資産の話、政治や宗教の話、相手をからかう冗談。
帰ったあと。その日のうちに、相手を通じてお礼を伝えます。翌日、手紙やメッセージを送るとさらに丁寧です。
そして、結婚の意思がある場合は、その場で伝えるかどうかを二人で決めておいてください。片方だけが話す気でいると、その場が混乱します。この先の段取りは結婚までの流れにまとめています。
相手のご家族と、合わないと感じたとき
紹介の場が終わったあと、「相手の家族とは合わないかもしれない」と感じることがあります。整理しておいてください。
まず、切り分けてください。
- 雰囲気や価値観が違うだけ——多くの場合、距離の取り方で解決します
- 相手の親が、こちらを明確に拒否している——時間をかける必要があります
- 金銭や生活に、具体的な要求がある——結婚前に、はっきりさせるべき問題です
- 相手が、親の言いなりになっている——これがいちばん重要な確認点です
最後の項目について。親との関係が近いこと自体は、悪いことではありません。問題は、二人のことを二人で決められるかどうかです。住む場所、お金の使い方、生活の形——ここに親の意向が優先される関係だと、結婚後も同じことが続きます。
確かめ方
意見が分かれる場面で、相手がどう動くかを見てください。親の意見をそのまま伝えてくるか、二人で決めた内容を親に伝えられるか。ここは、はっきり出ます。
そして、自分の親についても同じです。相手をかばえるか、あいだに入れるか。相手は、そこを見ています。
兄弟・親族への紹介
両親だけでなく、兄弟や親族に会う場面もあります。両親のときとは、少し勝手が違います。
兄弟に会うとき
- 両親より、率直な意見が出ます。気を遣わないぶん、素の反応が見られます
- 年齢が近いと、打ち解けやすい。食事だけの、軽い場で構いません
- 兄弟が味方になってくれると、親を説得する場面で助けになります
- 相手の子どものころの話が聞けます。人柄を知る良い機会です
親族が集まる場(法事、正月など)に呼ばれたとき
- 行くかどうかは、関係の段階で決めてください。結婚が決まる前だと、周囲の期待が先に膨らみます
- 手土産は、人数を考えて。切り分けられる菓子折りが無難です
- 長居しない。初回は短時間で切り上げるほうが、双方の負担が軽くなります
- 質問攻めになることがあります。答えにくいことは「二人でこれから決めます」で構いません
そして、事前に相手から情報をもらってください。誰が来るか、どういう性格か、触れないほうがいい話題は何か。この一言があるかどうかで、当日の緊張がまったく違います。
相手に対しても、同じ配慮をしてください。自分の親族に会わせる前に、必要な情報を渡しておく。ここでの気配りは、確実に伝わります。
紹介の当日、直前の確認
会う日が決まったら、前日までに次を済ませておいてください。
二人で確認すること
- 出会いをどう説明するか。答えを揃える。その場で食い違うと、それだけで不安を与えます
- 結婚の時期について、何と答えるか
- 住む場所について、何と答えるか
- 答えたくない質問が出たときの、逃げ方。「二人でこれから決めます」
相手に伝えておくこと
- 親の名前、仕事、性格の傾向
- 触れないでほしい話題
- 誰が同席するか
- 店の場所と、集合時間
「うちの父は口数が少ないけれど、機嫌が悪いわけではない」——この一言があるだけで、当日の相手の緊張がまったく違います。
持ち物
- 手土産(3,000円前後、日持ちのするもの)
- 紙袋から出して、両手で渡す
そして、当日はあいだに入る役割を意識してください。相手が答えにくい質問が出たら、引き取る。ここでかばえるかどうかを、相手はよく見ています。
よくある質問
いつ紹介すべきですか?
親が古い考えで、絶対に反対しそうです。
後から「実はアプリで」と訂正してもいいですか?
アプリで知り合ったことを、最初は伏せてもいいですか?
親に紹介するのは、いつがいいですか?
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