初デートで何を話せばいいか分からない。そう感じる方に向けて、当日の会話の組み立て方をまとめました。話し上手である必要はありません。
聞く7割、話す3割
初対面で好印象を持たれる人は、話がうまい人ではなく聞き方がうまい人です。
- 相手の答えに反応する。「そうなんですね」の一言でも、聞いている姿勢が伝わります
- 掘り下げる。「それはいつ頃からですか」「きっかけは何だったんですか」
- 自分の話も少し混ぜる。質問だけだと面接になります。3割程度は自分のことを話してください
ただし、聞くばかりで自分のことを話さないと、相手は「心を開いていない」と感じます。この配分が7:3の意味です。
最初の10分をどう使うか
最初は誰でも緊張しています。ここで場を和ませられると、その後が楽になります。
- 「はじめまして」と名乗る。下の名前で構いません
- 来るまでの話をする。「道、分かりましたか」「暑かったですね」
- 緊張していることを言ってしまう。「実は緊張しています」と言うと、相手も安心します
- 注文を済ませる。これで一区切りついて、本題に入りやすくなります
話題の引き出し
| 話題 | 広げ方の例 |
|---|---|
| 食べもの | 好きなもの、行った店、作るか作らないか |
| 休日 | 過ごし方、最近行った場所、してみたいこと |
| 仕事 | 大変さより「面白いと感じる瞬間」を聞く |
| 出身地 | 地元の話、今住んでいる街との違い |
| アプリの話 | いつ始めたか、どうだったか。共通の話題です |
| これからのこと | 行ってみたい場所、やってみたいこと |
迷ったら食べものの話に戻れば、たいてい広がります。次に会う店の話にもつなげやすくなります。
避けたい話題と、沈黙への対処
避けたい話題
- 過去の恋愛の詳細(聞かれても軽く流す)
- 年収、貯金、家族構成の詳しい詮索
- 政治、宗教
- 他人の悪口、職場の愚痴
- 結婚を急かす話(初回では重すぎます)
沈黙への対処
沈黙は必ず訪れます。焦らないでください。飲み物を口に運ぶ、店内を見る。数秒の間は自然なことです。
気になるなら、店のものにふれるのが簡単です。「このコーヒー、おいしいですね」「この店、雰囲気いいですね」。それだけで再開できます。
最初の5分に、決まった型を持っておく
いちばん緊張するのは、会ってから席に着くまでの数分です。ここを乗り切る言葉を決めておけば、あとは流れます。
1. 会った瞬間。「〇〇さんですか。はじめまして、〇〇です。今日はありがとうございます」
2. 歩きながら。「こちらまで、どのくらいかかりましたか」「道、分かりにくくなかったですか」。移動の話は、誰でも答えられます。
3. 席に着いたら。「何にしましょうか」。メニューを見る時間ができるので、間が持ちます。
4. 注文したあと。「写真より、雰囲気がやわらかい方ですね」「実際にお会いできてよかったです」。ここで一度、相手のことに触れます。
5. 本題へ。「今日はお休みでしたか」から、休日の話に入ります。
この5段階を通れば、最初の10分は確実に埋まります。緊張がいちばん強いのは最初の数分だけで、そこを越えれば自然に話せるようになります。用意しておく価値があるのは、その数分ぶんです。
聞き方の型:事実 → 気持ち → 理由
会話が続かない人は、事実を聞いて、そこで止まっています。3段階で深めると、自然に広がります。
→「近所を散歩していることが多いです」
気持ち「歩くの、気持ちいいですよね。どのあたりを歩かれるんですか」
→「川沿いの道です。人が少なくて」
理由「静かなほうが落ち着きますか」
→「そうですね、休みの日はあまり人混みに行きたくなくて」
3往復で、相手の生活のリズムと、休日の好みが分かりました。「休日は散歩です」で止めていたら、何も分からないまま次の質問に移っていたはずです。
コツは、相手の答えの中の言葉を、そのまま次の質問に使うことです。「川沿い」と言われたら「川沿い」を拾う。新しい話題を探す必要がなくなり、しかも「ちゃんと聞いている」ことが伝わります。
質問を用意するより、拾い方を覚えるほうが実用的です。
当日に使える、話題の一覧
それでも詰まったときのために、引き出しを用意しておきます。上から順に、初対面で使いやすい順です。
- この店・この街の話。目の前にあるので、いつでも始められます
- 食べもの。好きなもの、苦手なもの、最近おいしかったもの
- 休日の過ごし方。生活のテンポが分かります
- 仕事に就いたきっかけ。内容より「なぜ」を聞くと人柄が出ます
- 出身地と、子どものころ。警戒されにくく、盛り上がりやすい話題です
- 最近始めたこと・やめたこと
- 旅行、行ってみたい場所
- 好きな番組・音楽・本
- ペット、動物
- 疲れの取り方、休みの日の回復方法
- アプリを始めたきっかけ。中盤以降なら、自然に聞けます
- 友人との付き合い方。人間関係の距離感が分かります
順番も大切です。軽い話題から始めて、後半で少しずつ生活や価値観に近づく。いきなり結婚観から入ると、面接のようになります。
相手が話さないタイプだったとき
質問しても短い答えしか返ってこない。これは相性の問題ではなく、話し方の問題であることが多いのです。
1. 二択で聞く。「休日は何を?」より「休日は家派ですか、外派ですか」。考えなくても答えられる形にすると、口が動き始めます。
2. 自分の話を先に出す。「私は家にいることが多いんですが、〇〇さんはどうですか」。先に自分を開示すると、相手も話しやすくなります。
3. 沈黙を埋めようとしない。間があいたとき、慌てて別の質問を重ねると、相手は追い詰められます。飲み物を飲む、メニューを見る。数秒の間は、あって当然です。
4. 「緊張しますね」と言葉にする。これが効きます。お互いに緊張していることを共有すると、場が緩みます。
5. 相手の得意分野を探す。誰にでも、話し始めると止まらない話題があります。仕事、趣味、地元、家族。ひとつ当たれば、そこから流れが変わります。
それでも会話が動かない場合は、相性が合わないだけです。1時間で切り上げて構いません。無理に引き延ばしても、良い結果にはなりません。
終盤に、確かめておきたいこと
楽しく話せたかどうかとは別に、確かめておくべきことがあります。ただし、面接にならない聞き方で。
結婚についての温度感。直接聞くと重くなるので、周辺から。「お友達で、結婚された方は多いですか」「ご実家は近いんですか」。この話題から、自然に本人の考えが出てきます。
生活のリズム。「普段は何時ごろ帰られるんですか」。会う頻度の見通しが立ちます。
お金の感覚。店の選び方、注文の仕方、支払いのときの動き。言葉より、行動に出ます。ここは観察するだけで十分です。
人への接し方。店員さんへの態度は、よく言われることですが、実際に大きな判断材料です。自分に対する態度と、他人に対する態度の差を見てください。
そして最後に、次につなげる一言。「今日は楽しかったです。またお会いしたいです」。その場で言葉にするかどうかで、2回目の確率が変わります。詳しくは2回目のデートの誘い方をご覧ください。
相手のタイプ別に、話し方を変える
会って数分で、相手がどのタイプかは分かります。それに合わせると、格段に楽になります。
| 相手のタイプ | 見分け方 | こちらの動き方 |
|---|---|---|
| よく話す | 最初から話題が続く | 聞き役に回る。ただし、ときどき自分の話も挟む |
| 口数が少ない | 返事が短い。質問が来ない | 二択で聞く。自分の話を先に出す |
| 緊張している | 視線が定まらない。声が硬い | 「緊張しますね」と言葉にする。ゆっくり話す |
| 探るように聞いてくる | 質問が多く、こちらの情報を集める | 答えたあと、必ず同じ質問を返す |
| 合わせてくれる | こちらの話に全部同意する | 意見を聞く形にする。「〇〇さんはどう思いますか」 |
とくに、2番目と3番目は見分けにくいのですが、対処は同じです。二択で聞き、自分の話を先に出す。相手に「考えて答える」負担をかけないでください。
4番目には注意が必要です。質問ばかりで自分のことを話さない相手は、情報を集めている可能性があります。勤務先、住まい、家族構成を細かく聞かれる場合は、答える範囲を意識してください(個人情報はどこまで話すか)。
話が弾みすぎたときの、注意点
会話が続かないことばかり心配されますが、弾みすぎることにも落とし穴があります。
1. 時間が延びすぎる。楽しくて、気づけば4時間。初回は1〜2時間が適切です。「もっと話したかった」で終わるほうが、次につながります。
2. お酒が進む。初対面で酔うと、判断も帰宅も難しくなります。「明日早いので1杯だけ」を、最初に言っておいてください。
3. 話しすぎる。盛り上がると、こちらばかり話していることがあります。ひとつ話したら、ひとつ質問する。この比率を意識してください。
4. 距離が近くなりすぎる。その場の雰囲気で、いきなり関係が進むと、後で後悔することがあります。初回は、時間を区切って解散するのが安全です。
5. 深い話に踏み込みすぎる。元交際相手のこと、家族の事情、お金のこと。盛り上がった勢いで話したことが、後から気になることがあります。
6. 相性が良いと思い込む。会話が弾んだことと、生活の相性が合うことは別です。1回の楽しさで決めず、何度か会って確かめてください。
いちばん大切なのは、1番目です。終わりの時間を先に決めておくと、名残惜しい状態で終われます。「また会いたい」と思ってもらうには、これがいちばん効きます。
当日、持っていく5つの質問
詰まったときのために、あらかじめ質問を用意していってください。メモに残しておけば、開くだけで済みます。
汎用的に使える5つ
- 「休日は、家で過ごす派ですか、出かける派ですか」——二択なので、即答できます
- 「そのお仕事、どんなきっかけで選ばれたんですか」——内容より「なぜ」を聞くと、人柄が出ます
- 「最近、食べたもので、また食べたいと思ったものはありますか」——誰でも話せて、店の話にもつながります
- 「ご出身はどちらですか」——子どものころの話につながり、盛り上がりやすい
- 「疲れたとき、何をすると回復しますか」——生活の価値観が見える、意外に深い質問です
これに加えて、相手のプロフィールから2つ。合計7つあれば、1時間は持ちます。
使い方のコツ
- 順番に消化しない。会話の流れで自然に出せそうなものを選ぶ
- 答えを聞いたら、そこから広げる。次の質問に移らず、相手の答えの中の言葉を拾ってください
- 全部使い切らなくていい。1つの話題で30分続くこともあります
そして、メモを見ること自体は、恥ずかしいことではありません。化粧室で確認すれば済みますし、「用意してきた」ことが伝わっても、悪い印象にはなりません。
よくある質問
話が続かず、気まずくなりました。
相手が話さないタイプでした。
結婚について聞いてもいいですか?
沈黙が続いて、耐えられませんでした。
自分ばかり話してしまいました。
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