合わないと感じた相手に、どう対応すればいいのか。丁寧に断ろうとして消耗する人は少なくありません。通報とブロックは、そのための機能です。使い方と、罪悪感を持たなくていい理由を書きました。
通報とブロックの違い
| ブロック | 通報 | |
|---|---|---|
| 効果 | 相手から自分が見えなくなり、連絡も来なくなる | 運営に報告され、内容によって相手が警告・退会処分になる |
| 相手への通知 | されない(表示が消えるだけ) | されない(誰が通報したかも分からない) |
| 使う場面 | 合わないと感じたとき | 規約違反や、他の人にも被害が及びそうなとき |
| 元に戻せるか | 解除できる場合が多い | 報告内容の取り消しはできない |
単に「合わない」だけならブロックで十分です。業者や詐欺、既婚者など、他の人にも被害が及ぶ相手は通報してください。
断る理由を説明しなくていい
丁寧な人ほど、「何も言わずに切るのは失礼ではないか」と考えます。けれど、マッチングアプリでは説明しないことが標準的な作法です。
理由は3つあります。
- 説明すると、話が長引く。「どこがだめでしたか」「直します」と返され、断りきれなくなります
- 相手を傷つける。理由を伝えられるほうが、何も言われないよりつらいことがあります
- そもそも義務がない。「いいね」を返さないのと同じで、返信しない自由があります
何度か会話した相手や、実際に会った相手であれば、「今回はご縁がなかったということで」の一文を送ってから離れるのが丁寧です。理由は書かなくて構いません。それ以上の説明は、お互いのためになりません。
通報すべき相手
次に当てはまる場合は、ブロックだけでなく通報してください。あなたが通報しないと、同じ相手が別の人に同じことをします。
- 投資・副業・宗教・セミナーへの勧誘があった
- 金銭を要求された、または借金を申し込まれた
- 外部サイトへの登録を求められた
- 既婚者だと分かった
- 執拗に個人情報を聞き出そうとする
- 性的な内容のメッセージを一方的に送ってくる
- 写真と実物が明らかに違う(別人)
- 脅迫めいた言葉、暴言があった
通報する前にやっておくこと
ブロックしてしまうと、やりとりの画面が見られなくなる場合があります。順序を間違えないでください。
- スクリーンショットを撮る。問題のあるメッセージ、相手のプロフィール画面の両方
- 通報する。該当するメッセージを示せると、運営の対応が早くなります
- ブロックする。最後にこれを行います
金銭被害が出ている場合は、記録が警察への相談でも必要になります。削除せず、必ず保存してください。
通報したあと、運営は何をしているのか
通報しても何も起きていないように見えるので、「意味があるのだろうか」と感じる方がいます。実際には、裏側で決まった流れが動いています。
一般的には、次の順序で処理されます。
- 1. 受付。通報の内容と、対象アカウントのIDが記録されます
- 2. 調査。通報されたアカウントのプロフィール、メッセージの傾向、他の利用者からの通報履歴が確認されます
- 3. 判定。規約違反の程度に応じて、警告・機能制限・一時停止・強制退会のいずれかが選ばれます
- 4. 記録の保持。強制退会になったアカウントの情報は保存され、同じ人物の再登録を防ぐために使われます
ここで知っておいてほしいのが、「1件目の通報では動かないことが多い」という点です。誤報や嫌がらせの通報もあるため、多くの事業者は複数の通報や、明らかな証拠が揃った段階で措置に入ります。
だからこそ、1件1件の通報に意味があります。あなたの通報が2件目や3件目になって、はじめて対応が動くことがあるのです。「たぶん誰かが通報しているだろう」と全員が思うと、いつまでも残り続けます。
なお、処理の結果が通報者に知らされることは、ほとんどありません。個人情報にあたるためです。反応がないことは、何もされていないことを意味しません。
断る文面の型を、3つ持っておく
通報するほどではないけれど、続ける気もない。この場面がいちばん多く、いちばん消耗します。あらかじめ文面を決めておくと、迷う時間がなくなります。
型1:やりとりの段階で切るとき
「メッセージありがとうございました。いろいろお話を伺いましたが、ご縁がなかったように思います。お相手が見つかることをお祈りしています。」
型2:会ったあとに断るとき
「昨日はありがとうございました。楽しい時間でしたが、お付き合いを考えると難しく感じました。申し訳ありません。」
型3:理由を聞かれたとき
「うまく言葉にできないのですが、感覚的なものです。すみません。」
3つに共通しているのは、具体的な理由を書いていないことです。「年収が」「見た目が」と書けば、相手を傷つけるうえに、「そこを直せば会えますか」という返信を招きます。理由を伏せるのは、冷たさではなく配慮です。
断りの連絡に対して、長い反論や説得が返ってくることがあります。ここで返信する義務はありません。一度きちんと伝えたなら、それで完了しています。既読のまま放置して構いませんし、しつこければブロックしてください。
アプリの外に出てしまった相手を切るには
すでにLINEや他のSNSで繋がっている場合、アプリ内のブロックだけでは連絡が止まりません。経路ごとに閉じる必要があります。
| 経路 | やること | 相手に伝わるか |
|---|---|---|
| アプリ内 | ブロック+通報 | 「退会済み」等と表示され、間接的に分かる場合があります |
| LINE | 非表示→ブロック。しつこければ「非表示かつ削除」 | 通知はされませんが、既読がつかなくなるので推測はされます |
| ブロック(相手からプロフィールが見えなくなります) | 検索で出てこなくなるため、気づかれます | |
| 電話番号 | スマートフォンの着信拒否設定。iPhoneは「この発信者を着信拒否」、Androidは通話履歴から「ブロック」 | 相手には呼び出し音が鳴り続けるか、話し中になります |
| メール | 迷惑メール設定で受信拒否 | 伝わりません |
順番としては、証拠を保存 → アプリ内で通報 → 各経路をブロックです。先にブロックしてしまうと、通報に必要なやりとりが見られなくなる場合があります。ここだけ間違えないでください。
警察や相談窓口に移すべき段階
ブロックで解決しない状況があります。次のいずれかに当てはまったら、個人で対応する段階を超えています。
- ブロックしても、別のアカウントや別の手段で接触してくる
- 自宅や勤務先を特定され、待ち伏せや訪問がある
- 写真や個人情報をばらまくと脅されている
- 金銭を要求されている
- 身体的な危害をほのめかされている
相談先は、内容によって分かれます。
警察相談専用電話「#9110」。緊急ではない相談の窓口です。平日の日中につながります。付きまといや脅しは、ストーカー規制法や脅迫罪の対象になり得ます。保存したスクリーンショットを印刷して持参すると、話が早く進みます。
身の危険を感じるときは110番。ためらわないでください。
消費者ホットライン「188」。金銭が絡む場合、投資や商材の勧誘だった場合はこちらです。
違法・有害情報相談センター。写真を無断で掲載された場合、削除の求め方について助言を受けられます。
相談することを、大げさだと思う必要はありません。相談の記録が残ること自体に、抑止の意味があります。そして万一、後で事態が悪化したときに、経緯が残っていることが大きな助けになります。
何が、通報の対象になるのか
「これは通報していいのか」と迷う方が多いので、具体的に挙げておきます。多くのサービスで、規約違反とされている行為です。
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 目的の違反 | 金銭の要求、体の関係のみを求める、宗教・投資・副業の勧誘 |
| なりすまし | 他人の写真の使用、年齢や職業の偽り、既婚者の利用 |
| 外部への誘導 | 他のサイトへのURL送付、外部サービスへの登録要求 |
| 迷惑行為 | しつこい連絡、暴言、性的なメッセージや画像の送付 |
| 個人情報の要求 | 勤務先や住所を執拗に聞く、身分証の画像を求める |
| 営業目的 | 本業への集客、商品の販売 |
| その他 | 18歳未満と思われる利用、複数アカウントの運用 |
迷ったときの基準は、「規約違反かどうか」であって「自分が不快だったかどうか」ではありません。ただし、性的なメッセージやしつこい連絡は、明確に規約違反にあたります。遠慮する必要はありません。
「合わなかっただけ」の相手は、通報ではなくブロックで十分です。ここを使い分けてください。誤って通報しても、運営が内容を確認したうえで判断するため、それだけで相手が退会させられることはありません。
証拠の残し方
通報でも、警察への相談でも、証拠の有無が結果を左右します。残し方には手順があります。
1. ブロックする前に撮る。これがいちばん重要です。ブロックすると、やりとりが見られなくなる場合があります。順番は「保存 → 通報 → ブロック」です。
2. 撮る範囲
- 相手のプロフィール全体。ニックネーム、年齢、写真、自己紹介文
- やりとりの全文。問題の部分だけでなく、前後の流れも
- 日時が分かる部分。画面の上部に表示される時刻も入れる
- 送られてきたURLや、口座の情報
- 振込や決済の記録
3. 保存する場所を分ける。スマートフォンの中だけでなく、クラウドか、パソコンにも複製を。端末を紛失したり、故障したりすると失われます。
4. 日付と経緯を、メモに書く。「いつ、何があったか」を時系列で。後から思い出そうとしても、正確には出てきません。その日のうちに書いてください。
5. 相談に行くときは、印刷して持参する。警察や消費生活センターでは、画面を見せるより紙のほうが話が早く進みます。
多くの場合、証拠は使わずに終わります。それでいいのです。問題は、必要になったときに残っていないことです。撮るのは1分、失うと取り戻せません。
よくある質問
ブロックしたことは相手に伝わりますか?
間違って通報したらどうなりますか?
通報したら仕返しされませんか?
既読無視は失礼ですか?
通報の理由は、詳しく書いたほうがいいですか?
ブロックしたら、相手の悪い評価を書かれませんか?
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