マッチングアプリはすべて18歳以上が対象です。これは各社の方針ではなく、法律で定められています。なぜそうなっているのか、そして高校生や18歳未満の方が知っておくべきことをまとめました。
法律で禁止されている
面識のない異性と出会えるサービスは、出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)の対象です。この法律は、名前のとおり児童(18歳未満)を守るために作られています。
事業者には次の義務があります。
- 公安委員会への届出
- 公的な身分証による年齢確認
- 18歳未満の利用を禁止する旨の明示
- 児童を誘引する書き込みの削除
つまり、身分証の提出を求められるのは、この法律を守るためです。確認を行っていないサービスは、法律に反している可能性が高いということになります。
18歳以上でも高校生は使えない
多くのサービスでは、規約で「18歳以上、かつ高校生を除く」と定めています。18歳の誕生日を迎えていても、高校に在籍している間は登録できません。
これは、社会的にまだ保護される立場にあることを考慮した扱いです。卒業後であれば、18歳から利用できます。
年齢を偽るとどうなるか
- アカウントが停止される。身分証の確認で発覚します
- 相手が罪に問われることがある。18歳未満と知らずに交際した相手が、法的責任を負う可能性があります
- 被害に遭っても守られにくい。規約違反の状態では、運営の保護も受けにくくなります
特に2つ目は重要です。年齢を偽ったことで、誠実に接してくれた相手を巻き込んでしまう可能性があります。
保護者の方へ
お子さんの利用が心配な場合、次の方法があります。
- フィルタリングサービスを使う。携帯電話会社が提供しており、出会い系サイトへのアクセスを制限できます。18歳未満の契約では原則として設定が求められます
- アプリのインストール制限。iPhoneの「スクリーンタイム」、Androidの「ファミリーリンク」で、年齢に応じた制限をかけられます
- 相談先を知っておく。トラブルが起きたときは、警察相談専用電話「#9110」、各都道府県の少年相談窓口が使えます
頭ごなしに禁止するより、なぜ危険なのかを一緒に確認するほうが、結果的に守れることが多いようです。
根拠になっている法律
「18歳以上」という線引きは、事業者が自主的に決めたものではありません。2つの法律が背景にあります。
出会い系サイト規制法(インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律)。2003年に施行され、2008年に改正されました。この法律では、面識のない異性との交際を目的とした情報を掲載するサービスを「インターネット異性紹介事業」と定め、事業者に公安委員会への届出と、利用者が児童(18歳未満)でないことの確認を義務づけています。確認を怠った事業者には罰則があります。
各都道府県の青少年保護育成条例。18歳未満との「みだらな性行為」等を禁じています。相手が18歳未満だと知らなかったと主張しても、年齢を確かめる努力をしていなければ、責任を免れないことが多いのが実情です。
この2つがあるため、事業者は年齢確認を厳格に行います。年齢確認は利用者にとって手間ですが、18歳未満を排除する仕組みが、そのまま業者や悪質な利用者を減らす効果も持っています。仕組みの詳細は本人確認でできること・できないことにまとめました。
年齢確認は、実際にどう行われるか
登録時に求められるのは、次のいずれかです。
- 公的な身分証明書の画像。運転免許証、健康保険証、パスポート、マイナンバーカード、学生証(顔写真と生年月日があるもの)など。生年月日の欄以外を隠して提出できるサービスもあります
- クレジットカードの登録。クレジットカードは原則18歳以上でないと作れないため、確認の代わりになります
- 年齢確認済みアカウントとの連携。携帯電話会社が提供する年齢判定の仕組みを使う場合もあります
この確認が済むまで、メッセージの送信ができないのが一般的です。プロフィールの閲覧まではできても、実際に連絡を取る段階で必ず止まります。
多くの事業者は、確認が済んだ時点で画像を削除する運用をとっています。プライバシーポリシーに保管期間が書かれているので、気になる方は登録前に確認してください。マイナンバーカードを使う場合は、番号が書かれた裏面ではなく、顔写真のある表面を提出します。
18歳未満の方が巻き込まれやすい被害
年齢を偽って利用した場合、規約違反というだけでは終わりません。実際に被害が起きています。知っておいてほしいものを挙げます。
自画撮り被害。やりとりを重ねた相手から、裸や下着姿の写真を求められるものです。「送ってくれたら信用する」「自分も送るから」といった形で求められ、一度送るとそれを材料にさらに要求されます。送った画像は、児童ポルノとして扱われる違法な画像になります。多くの自治体の条例で、要求する行為そのものが禁止されています。
お金や物を渡されての交際。相手の大人が処罰の対象になりますが、巻き込まれた側にも大きな負担が残ります。
連れ出し。家出の相談に乗るふりをして、住まいに誘い込む手口です。ニュースになる事件の多くが、この形をとっています。
もし、すでに何かを送ってしまったり、会う約束をしてしまったりしている場合は、次の窓口に相談してください。大人に知られたくない気持ちは分かりますが、相談が遅れるほど状況は悪くなります。
- 警察相談専用電話「#9110」(緊急でない相談)
- 児童相談所虐待対応ダイヤル「189」
- 24時間子供SOSダイヤル「0120-0-78310」(文部科学省/夜間・休日も可)
- セーフライン(インターネット上の画像削除に関する相談窓口)
いずれも、あなたを責めるための窓口ではありません。相談したこと自体で処罰されることはありません。
保護者の方へ:確認できる設定
お子さんの利用が心配な場合、端末側で制限をかけられます。「青少年インターネット環境整備法」により、携帯電話会社には18歳未満の契約時にフィルタリングを提供する義務があります。
携帯電話会社のフィルタリング。各社が無料または低額で提供しています。出会い系サイトやアプリはカテゴリごと遮断されます。契約時に外している場合は、後からでも申し込めます。
iPhoneの「スクリーンタイム」。「設定 → スクリーンタイム → コンテンツとプライバシーの制限」で、アプリのインストール自体を年齢区分で制限できます。マッチングアプリの多くは17歳以上向けに設定されています。
Androidの「ファミリーリンク」。Googleが提供する管理アプリで、インストールの承認制、利用時間の制限、位置の確認ができます。
アプリ内課金の制限。知らないうちに課金される事態を防げます。
制限は有効ですが、抜け道は必ずあります。友人の端末、公共のWi-Fi、機種変更前の古い端末。ほんとうに効くのは、困ったときに相談してもらえる関係です。「使ったら怒る」と伝えるより、「困ったときはどんな内容でも聞くから、まず言ってほしい」と伝えておくほうが、被害を早く止められます。
18歳未満の方が、いま使える出会いの場
マッチングアプリは使えませんが、同世代と知り合う方法がないわけではありません。
- 学校の部活動、委員会、行事。いちばん自然で、相手の人柄が長く見られる場です
- 他校との合同行事、大会、地域のイベント
- 習いごと、スポーツクラブ、地域の活動
- アルバイト(年齢と時間の制限があります)
- 友人の紹介
そして、いちばん伝えたいこと。急ぐ必要はまったくありません。18歳を過ぎてからでも、出会いの機会はいくらでもあります。むしろ、進学や就職で環境が変わると、関わる人の幅は一気に広がります。
SNSでの出会いについて。年齢制限のないSNSで知り合うこと自体は禁止されていませんが、相手が誰かを確かめる手段がありません。年齢確認も、身元の確認もない場では、大人が年齢を偽って接近することがあります。
とくに注意してほしい形
- 年上の相手から、優しく相談に乗ってくれる
- 「二人だけの秘密にしよう」と言われる
- 写真を求められる
- 会おうと誘われる。とくに、大人に内緒でと言われる
この4つが揃ったら、離れてください。そして、信頼できる大人に話してください。
保護者が気づける、変化のサイン
お子さんの様子から、気づける変化があります。ただし、疑ってかかるためではありません。
- スマートフォンを見せたがらなくなった。画面を隠す、持ち歩く時間が増えた
- 深夜に、連絡を取っている様子がある
- 知らないアプリが入っている。あるいは、アプリを隠すフォルダがある
- お金の使い方が変わった。収入がないのに、新しい物を持っている
- 外出が増え、行き先を言わなくなった
- 年上の友人の話が出てくる
- 急に落ち込む、あるいは急に機嫌がよくなる波がある
気づいたときの、話しかけ方
問い詰めないでください。「何を隠しているの」と入ると、そこで会話が終わります。そして、次からは、もっと巧妙に隠すようになります。
怒らないから、困っていることがあったら言ってほしい。
どんな内容でも、まず聞くから。
「怒らない」と先に伝えることが、いちばん効きます。相談してこない理由の多くは、怒られることへの恐れです。
そして、被害に遭っていた場合、責めないでください。子どもが自分を責めていることが多く、そこに追い打ちをかけると、二度と相談しなくなります。相談先は、警察相談専用電話「#9110」、児童相談所「189」、24時間子供SOSダイヤル「0120-0-78310」です。保護者からの相談も受け付けています。
18歳になったら、確認すること
誕生日を迎えて利用できるようになったら、始める前に確認しておいてほしいことがあります。
- 高校を卒業しているか。多くのアプリは「18歳以上、かつ高校生でないこと」を条件にしています
- 年齢確認に使える身分証があるか。免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
- 費用の負担。男性は月3,000〜4,000円程度が相場です。学割のあるサービスもあります
- 「知り合いに会わない」設定。登録直後に、必ずオンにしてください
そして、この年代でとくに気をつけてほしいこと
- 投資や副業の勧誘。収入への不安が大きい年代なので、狙われやすくなります
- 「1通いくら」のサイト。正規のアプリは月額制です。ポイント制の表示を見たら、そこで閉じてください
- 写真の要求。「特別に」「自分も送るから」——応じないでください
- 急がされること。会うことも、お金も、関係も。急がせる相手には、理由があります
判断に迷ったときの基準は、ひとつです。「急がされているかどうか」。これさえ覚えておけば、大きな失敗は避けられます。
よくある質問
18歳の誕生日が来たら、すぐ使えますか?
大学生なら18歳でも大丈夫ですか?
年齢確認のない出会い系サイトはなぜ存在するのですか?
18歳未満だと分かったアカウントを見つけたら、どうすればいいですか?
18歳の誕生日を迎えた高校生は利用できますか?
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