「アプリで出会って結婚する人なんて、本当にいるのか」。婚活を始める前に、多くの方が抱く疑問です。各種の調査から見えてくる実態と、数字を読むときに注意すべき点をまとめました。
いまや珍しい出会い方ではない
結婚した人がどこで出会ったかを調べた調査は複数あり、近年はネット系の婚活サービス(アプリ・婚活サイト)が出会いのきっかけとして上位に入る結果が続いています。調査によっては、職場や友人の紹介と並ぶ、あるいはそれを上回る位置に来ることもあります。
10年前であれば「アプリで出会った」と言いにくい空気がありましたが、いまは違います。周囲に何組かはアプリで結婚した人がいる、という状況が当たり前になってきています。
数字を読むときの注意点
ただし、目にする数字をそのまま受け取るのは危険です。次の3点に注意してください。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体で数字が違う | 民間の調査会社、行政、事業者自身で結果が異なります。事業者が出す数字は、自社サービスに有利な集計になっている可能性を考慮してください |
| 対象と年によって動く | 「直近1年に結婚した人」なのか「全既婚者」なのかで割合は大きく変わります。年ごとの変動もあります |
| 「出会いのきっかけ」の定義 | アプリで知り合った後に共通の知人がいると分かった場合、どちらに数えるかは調査次第です |
このサイトで具体的な割合を断定しないのは、そのためです。気になる場合は、公的機関や大手調査会社が公表している最新の調査を、発表元と調査年をあわせて確認してください。
なぜここまで増えたのか
理由はいくつか考えられます。
- 職場での出会いが減った。働き方が変わり、飲み会や社内交流の機会が以前より少なくなりました
- 紹介してくれる人が減った。かつては上司や親戚が縁談を持ち込む文化がありましたが、いまは少数派です
- 抵抗感が薄れた。利用者が増えるほど「知り合いも使っている」状態になり、心理的な壁が下がります
- 本人確認が厳格になった。法律に基づく年齢確認が定着し、以前より安心して使える環境になりました
つまり、出会いの機会そのものが減った分を、アプリが埋めているという構図です。
数字より大事なこと
「何%が成功するか」を気にする気持ちはよく分かります。ただ、その数字はあなたの結果を決めません。全体の割合がどうであれ、あなたに必要なのは一人だけです。
そして、うまくいく人といかない人の差は、母集団の統計ではなく、使い方と続け方にあります。写真を整える、自己紹介文を具体的に書く、返信を溜めない。こうした積み重ねのほうが、全国の平均値よりずっと重要です。
なぜ「アプリで出会った」と言いにくいのか
統計の上では珍しくない出会い方になったのに、周りに話すときにためらう人はまだ多くいます。この感覚のずれには理由があります。
ひとつは、世代による受け止め方の差です。いま結婚を考えている世代にとっては当たり前の手段でも、その親の世代にとっては馴染みのない方法です。説明する相手が誰かによって、必要な言葉が変わります。同世代の友人には「アプリで知り合った」で通じても、親には「共通の知人の紹介で」と言い換える人がいるのは、そのためです。
もうひとつは、2000年代の報道の記憶です。当時は年齢確認の仕組みがなく、トラブルが繰り返し報じられました。その印象が、いまの環境とは切り離されないまま残っています。環境は変わったのに、言葉の印象だけが当時のままです。
ただ、この状況も変わりつつあります。テレビや新聞でマッチングアプリが取り上げられる機会は増え、自治体が婚活支援の一環としてマッチングの仕組みを運営する例も出てきました。公的な機関が関わっているという事実は、印象を変える力があります。
言い方に迷ったときの、いくつかの答え方
誰に、どこまで話すかは自由です。参考までに、よく使われている言い方を挙げます。
- 「マッチングアプリで知り合いました」……同世代であれば、これがいちばん自然です
- 「共通の趣味を通じて」……嘘ではありません。趣味が合ったから話が続いたのであれば、事実です
- 「知人の紹介で」……仲人型のサービスや、人が間に入った場合は、そのままの説明になります
- 「縁があって」……詳しく聞かれたくないときに、角が立たない言い方です
どれを選んでも構いません。出会い方より、その後どう関係を築いたかのほうが、はるかに大切です。
数字の裏側にある、3つの変化
アプリでの出会いがここまで増えた背景には、社会の側の変化があります。個人の努力の問題ではありません。
職場での出会いが減った
かつては、職場が出会いの中心でした。社内旅行、飲み会、部署をまたいだ交流。こうした機会が減り、業務時間内の会話も効率化されました。加えて、職場での交際に慎重になる空気も広がっています。出会いの場としての職場の機能は、確実に小さくなりました。
地縁のつながりが薄くなった
親戚や近所の人が縁談を持ってくる、という形も減りました。地方から都市部へ出て働く人が増え、地域とのつながりが弱くなったためです。紹介してくれる人が身近にいないという状況は、いま珍しくありません。
結婚を考える年齢が上がった
学生時代や20代前半に出会って結婚する形が一般的だった時代と比べ、いまは30代で相手を探し始める人が増えました。その年代になると、日常の中で新しく人と知り合う機会そのものが減ります。意識して場を作らないと、出会いが生まれにくくなります。
この3つが重なった結果として、自分で出会いを探しに行く手段が必要になりました。アプリが増えたのは、需要が先にあったからです。
数字を自分の状況に当てはめるとき
「何割がアプリで結婚した」という数字は参考になりますが、そのまま自分に当てはめられるわけではありません。数字を読むときに気をつけたいことを挙げます。
まず、調査の対象が誰かを見てください。アプリの運営会社が自社の利用者に聞いた調査と、公的機関が全国を対象に行った調査では、出てくる数字が大きく違います。前者は当然、高く出ます。
次に、年代です。20代と40代では、アプリで結婚した人の割合は違います。全年代をまとめた数字は、自分の年代の実感とずれることがあります。
そして、地域です。都市部と地方では、利用者数も、周囲の受け止め方も違います。全国の平均値が、自分の住む地域に当てはまるとは限りません。
結局のところ、統計は「珍しいことではない」と確認するために使うものだと考えるのがいちばん健全です。何割という数字が自分の成功率を示すわけではありません。
増えたからこそ、選び方が大切になった
利用者が増えたことで、サービスの数も増えました。選択肢が多いのは良いことですが、そのぶん選ぶ側の判断が必要になっています。
特に、「マッチングアプリ」という呼び方だけを借りた、実態の伴わないサービスも出てきました。年齢確認をしていない、監視体制がない、料金の仕組みが分かりにくい。こうしたサービスに当たると、出会えないだけでなく、費用も時間も失います。
選ぶときの最低条件は、次の3つです。
- 公的身分証による年齢確認がある(法律上の義務です)
- インターネット異性紹介事業の届出番号が公開されている
- 料金と解約方法が、登録前に読める場所に書かれている
この3つを満たしていれば、少なくとも土台は整っています。そのうえで、自分の目的と年齢層に合う場を選んでください。
他の出会い方と、並べて見る
アプリの割合だけを見ても、実感が湧きにくいかもしれません。他の出会い方と並べると、いまの状況が見えてきます。
結婚した夫婦の出会いのきっかけとして、長く上位を占めてきたのは「職場」「友人・きょうだいの紹介」でした。ここに、近年ネットを介した出会いが加わり、割合を伸ばしています。
| 出会い方 | 特徴 | 難しさ |
|---|---|---|
| 職場 | 人柄を長く見られる | 合わなかったときに、関係が残る |
| 友人の紹介 | 身元が確かで、信頼できる | 断りにくい。数が限られる |
| 学校 | 共通の話題が多い | 卒業後は機会がなくなる |
| 趣味・習いごと | 関心が重なっている | 目的が違う人も混ざる |
| アプリ | 目的と条件を先に確認できる。数も確保できる | 写真と文章から始まる |
| 結婚相談所 | 身元の確認が厳格 | 費用がかかる |
アプリの特徴は、上の表の右端に集約されます。「結婚を考えているか」「たばこを吸うか」「休みはいつか」——こうした前提を、会う前に確認できる出会い方は、他にありません。
職場や紹介では、関係ができてから条件を知ることになります。順番が逆なのです。
なぜ、従来の出会い方が減ったのか
割合が変わった背景には、アプリが便利になったこと以上に、社会の側の変化があります。
1. 職場での出会いが減った。転職が一般的になり、同じ職場に長くいる人が減りました。加えて、職場での交際に慎重な空気も広がっています。かつては上司が縁談を持ってくることも珍しくありませんでしたが、いまはほとんどありません。
2. 紹介する側の負担が重くなった。うまくいかなかったときに気まずくなるため、友人や親族が積極的に紹介しなくなりました。
3. 単身世帯が増えた。地域のつながりが薄くなり、近所づきあいから縁が生まれる機会が減っています。
4. 働く時間帯が多様になった。シフト制、在宅勤務、副業。同じ時間に同じ場所にいる人同士が出会う、という前提が崩れました。
5. 人と会う機会そのものが減った時期があった。この数年で、対面の集まりが減り、オンラインでの出会いが受け入れられやすくなりました。
つまり、アプリが特別なのではなく、他の入口が細くなったのです。「アプリを使うしかない」のではなく、「使うのが自然な状況になった」と考えるほうが実態に近いといえます。
数字を、自分の判断にどう使うか
割合を知ったところで、その数字をどう使うかを整理しておきます。
使い方1:後ろめたさを、手放す材料にする
「アプリで出会うのは特別なことではない」——この事実を知っているだけで、始めるときの心理的な壁が下がります。周囲に説明するときにも使えます。
使い方2:方法を選ぶときの、材料にする
職場や紹介からの出会いが減っているのであれば、意識的に出会いの場を作る必要があるということです。待っていても、機会は生まれません。
使い方3:期待値を、現実的にする
増えているとはいえ、登録すれば自動的に出会えるわけではありません。写真を整え、プロフィールを書き、自分から動く。この過程は、どの出会い方でも必要です。
使わないほうがいい使い方
「みんなやっているから、自分もやらなければ」——これは、焦りを生むだけです。数字は、選択肢が増えたことを示しているだけで、急かすものではありません。
結局のところ、割合が何%であっても、あなたに必要なのは1人です。統計は、その1人に出会う確率を上げてくれるわけではありません。方法を選び、動くことだけが、確率を上げます。
よくある質問
アプリで結婚した人は、周りにどう説明していますか?
どれくらいの期間で結婚まで進むものですか?
年齢が高いと不利ですか?
親にどう説明すればいいか分かりません
統計で多いからといって、自分もうまくいくとは限りませんよね
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