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ロマンス詐欺の手口と、会話に必ず出てくる言葉

公開 2026.08.15 更新 2026.08.16

ロマンス詐欺は、恋愛感情を利用してお金をだまし取る手口です。相手を信じきった状態で持ちかけられるため、知識のある人でも被害に遭います。どういう順序で進むのか、どんな言葉が出るのかを、あらかじめ知っておいてください。

手口は4段階で進む

ロマンス詐欺には、共通した進み方があります。お金の話は最後に出てくるのが特徴で、それまでは理想的な相手として振る舞います。

第1段階:接触(数日)

丁寧で好意的なメッセージが届きます。写真は端正で、profile も充実しています。「早くLINEに移りましょう」と持ちかけるのもこの段階です。アプリの監視から外れるためです。

第2段階:信頼を築く(数週間〜数か月)

毎日連絡が来ます。おはよう、おやすみ、仕事お疲れさま。悩みを聞いてくれ、将来の話もします。この段階では一切お金の話をしません。むしろ「会いたいけれど、いまは海外で」など、会えない理由を丁寧に説明します。

第3段階:儲け話を見せる(数日〜数週間)

ふとした流れで投資や副業の話が出ます。「自分はこれで生活が安定した」「あなたにも知ってほしい」。最初は少額で試させて、実際に利益が出る画面を見せることもあります。ここで信じてしまう人が多くいます。

第4段階:回収

金額が大きくなったところで、出金できなくなります。「税金が必要」「手数料を払えば引き出せる」とさらに要求され、最終的に連絡が取れなくなります。

会話に出てくる典型的な言葉

この言葉が出たら、そこで終わりにしてください

  • 「あなただけに教える」「他の人には言わないで」
  • 「今だけの案件」「あと数日で締め切り」
  • 「絶対に損はしない」「元本保証」
  • 「将来のために一緒に資産を作ろう」
  • 「少額から始められるから試してみて」
  • 「日本ではまだ知られていない」

これらは、投資詐欺全般に共通する表現です。恋愛感情が絡むと判断が鈍るので、言葉そのものを覚えておいて、機械的に反応してください。

プロフィールに表れる特徴

すべてに当てはまるわけではありませんが、次の要素が複数重なるときは警戒してください。

要素 なぜ怪しいか
写真が宣材写真のように整いすぎている 他人の写真を流用している可能性。画像検索で出所を確認できます
海外在住・海外出張中 会えない理由として使われる定番の設定です
職業が「投資家」「経営者」「軍人」「医師」 お金の話に持ち込みやすく、会えない理由も作りやすい職業です
日本語がわずかに不自然 翻訳を使っている場合があります
すぐに外部アプリへ誘導する 運営の監視を避けるためです

写真は画像検索で確認できます。相手の写真を保存して、Google画像検索やスマートフォンの画像検索にかけると、海外のSNSやストックフォトが出てくることがあります。

もう送ってしまった場合

すぐに次の行動を取ってください。時間が経つほど回収は難しくなります。

そして、ここでさらに「お金を取り戻してあげる」と近づいてくる二次被害があります。公的機関以外の「回収代行」には絶対に応じないでください。

なぜ、気づけなくなるのか

手口を知っていても引っかかる人がいます。だまされる側に落ち度があるのではなく、相手が時間をかけて信頼を作っているからです。

この種の詐欺は、いきなりお金の話をしません。何週間、ときには何か月もかけて関係を築きます。毎日連絡が来て、こちらの話をよく聞き、仕事の愚痴にも付き合ってくれる。その期間、実際に良い関係が成立しています。だからこそ、後から出てくる話を疑いにくくなります。

もうひとつの理由は、相手が用意している文脈です。「二人の将来のために」「あなたにも同じように豊かになってほしい」。お金の話が、善意や愛情の言葉と一緒に出てきます。断ることが、相手を疑うことのように感じられてしまいます。

そして、いったんお金を出してしまうと、引き返しにくくなります。「ここでやめたら今までのお金が無駄になる」と考えてしまうためです。これは判断の誤りではなく、誰にでも働く心理です。知っておくだけでも、踏みとどまる助けになります。

お金の話の、代表的な形

切り出され方にはいくつかの型があります。知っておけば、その瞬間に気づけます。

投資型。「良い運用先を知っている」「一緒に資産を作りたい」。指定されたサイトやアプリに登録させ、入金させます。最初は少額で利益が出たように見え、増額したあとに出金できなくなります。画面上の数字は、相手が自由に作れます。

渡航費型。海外にいる設定で、「会いに行きたいが渡航費が足りない」「税関で荷物が止まっている」と切り出されます。会えそうで会えない状態が続くのが特徴です。

急病・事故型。「家族が入院した」「事故に遭って治療費が必要」。同情を誘う形で、少額から始まることが多くあります。

立て替え型。「今は口座が凍結されていて」「給料日に必ず返す」。返済されることもあり、そのぶん次の金額が大きくなります。

本人確認型。「送金できるか確認したいので、少額を送ってほしい」。理屈が通っているように聞こえますが、そのような手続きは存在しません。

形は違っても、共通しているのは「会ったことのない相手に、お金を動かさせる」という一点です。ここだけ見れば、判断できます。

やりとりの中で確かめられること

疑わしいと感じたときに、確かめられることがあります。

ビデオ通話を提案してみる。断られる、あるいは毎回理由をつけて先送りされるなら、注意が必要です。「通信環境が悪い」「顔を出すのが苦手」といった説明が続く場合、写真の人物と話している相手が違う可能性があります。

写真を画像検索にかけてみる。プロフィール写真を保存して、画像検索で調べると、まったく別の人物のSNSや、素材サイトの写真であることが分かる場合があります。

会う提案をしてみる。近くに住んでいるはずなのに、毎回都合が合わない。この状態が2か月続くなら、会う意思がないと考えていいでしょう。

話の細部を聞いてみる。勤務先の場所、休日の過ごし方、最近行った店。作り話であれば、細部で矛盾が出ます。ただし、答えを用意している相手もいるので、これだけで判断しないでください。

「試すこと」に罪悪感を持たなくていい
相手を疑うようで気が引ける、と感じる方がいます。けれど、まっとうな相手であれば、ビデオ通話も、会う提案も、断る理由がありません。これらに応じられない事情があるほうが、不自然です。

送ってしまったあとの動き方

すでにお金を送ってしまった場合、できるだけ早く動くことが大切です。時間が経つほど、資金が移動して追えなくなります。

1. 追加で送らない。「あと少しで出金できる」「手数料さえ払えば」と言われても、送らないでください。取り返そうとして被害が増える例が非常に多くあります。

2. 証拠を保存する。やりとりの画面、相手のプロフィール、振込の記録、指定されたサイトのURL。ブロックする前に保存してください。

3. 金融機関に連絡する。振込であれば、口座の凍結を依頼できる場合があります。振り込め詐欺救済法に基づいて、残っている資金が返ってくる可能性があります。早いほど可能性が上がります。

4. 警察に相談する。「#9110」または最寄りの警察署へ。保存した証拠を持参してください。

5. 運営に通報する。同じ相手が他の人に接触するのを防げます。

そして、自分を責めないでください。相手は、これを仕事として繰り返しています。時間をかけて信頼を作られれば、誰でも同じ状況になります。恥ずかしさから相談をためらう人が多いのですが、相談が遅れることのほうが、はるかに大きな損失になります。

海外を舞台にした手口

近年、相談が増えているのが海外にいる設定の相手による手口です。共通する特徴があります。

そして、必ず「会えそうで会えない」状態が続きます。帰国の予定が立つ、しかし直前で問題が起きる。この繰り返しです。

お金の話は、この状況で出てきます。渡航費、荷物の通関費用、事業の資金、投資の話。「もうすぐ会える」という期待が、判断を鈍らせます。

見抜く方法は、ひとつです。ビデオ通話を提案してみてください。応じられない相手は、応じられない理由があります。

投資をうたう手口の、新しい形

お金の話の中でも、投資を持ちかける形が増えています。手順が決まっています。

1. 恋愛の関係を先に作る。数週間から数か月。この間、お金の話は一切出ません。

2. 自分の資産や成功を、さりげなく見せる。「実は、ある方法で資産を増やしていて」

3. 専用のサイトやアプリに誘導する。本物のように作り込まれた画面が用意されています。

4. 少額から始めさせる。そして、利益が出たように見える画面を見せます。ここが巧妙な点です。

5. 一度、出金させることがあります。小さな額を実際に引き出せると、信用が生まれます。

6. 増額を勧める。「もっと入れれば、もっと増える」

7. 出金できなくなる。「税金が必要」「手数料を先に払えば」——取り戻そうとして、さらに送ってしまう例が非常に多くあります。

画面上の数字は、相手が自由に作れます
ここを理解しておいてください。「増えている」という表示は、証拠ではありません。そして、出金できたことも安心材料にはなりません。信用させるための手順に含まれています。「あと少し払えば出金できる」と言われた時点で、そこから先は一切送らないでください。相談は消費者ホットライン「188」、または警察相談専用電話「#9110」へ。

他の勧誘の形については投資・副業・宗教の勧誘にまとめています。

よくある質問

ビデオ通話をすれば本人確認になりますか?
以前より有効性は下がっています。加工や偽装の技術が進んでいるためです。ただ、ビデオ通話を頑なに断る相手は警戒すべきです。判断材料のひとつとして使ってください。
少額なら試してもいいですか?
だめです。少額で利益が出る体験をさせるのが手口の一部です。最初の少額は、大きな金額を出させるための投資だと考えてください。
相手が本当に困っている可能性はありませんか?
実際に会ったこともない相手に、お金の相談をする人はいません。もし本当に困っているとしても、あなたが解決すべきことではありません。
被害を相談するのが恥ずかしいです。
手口が巧妙なだけで、落ち度ではありません。相談件数は年々増えており、対応する側も慣れています。黙っていると、被害が拡大するだけです。
相手は本当に写真の人物ではないのですか
別人の写真を使っている場合が多くあります。画像検索で調べると分かることがあります。ただし、写真が本人であっても詐欺である場合はあるので、写真だけでは判断できません。
少額なら大丈夫でしょうか
金額の問題ではありません。少額を送ると「応じる人だ」と判断され、次の要求につながります。会ったことのない相手には、金額にかかわらず送らないでください。

監修

結 太朗 /縁結び士・エンムス プロデューサー

監修日:2026-08-15

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